2006年03月08日

[商標]地理的表示の機能に着目した地理的表示保護の可能性論

●Dev Gangiee(デブ・ガンジー)「団体商標としての地理的表示保護―その可能性と陥穽―」知財研フォーラム Vol.63(2005) 7頁〜
※通常の大学図書館では入手困難な雑誌である。

1.論文の意義
平成17年度改正により導入される団体商標による地理的表示保護についての問題点を検討する者であり意義は深い。(ただし、深度のある研究というより、考え方・問題点の整理の点において意義が大きいように思われる。)

2.要点
地理的表示も商標と同様に(1)出所表示、(2)品質保証、(3)信用蓄積、の機能を有するが、地理的表示においては識別力が乏しい場合があることや、普通名称化することによって、商標と同じように扱えない場合が存在する。それゆえ、独自の知的財産権として保護されている。
地理的表示を団体商標により保護した場合、自主的な規制に委ねられることから、その品質、地理的境界において紛争になりうることを指摘している。また、同様の商標権が存在するときに両者の抵触関係処理も問題となりうるとする。
前者については地方公共団体の関与を、後者は公正な使用として両者の並存が可能であると主張するものである。

3.私見
団体商標による保護において品質保証面については、自治に委ねるのがベターであると考えるし、地方公共団体はADRとしての役割を担うにとどめた方がよいのではないだろうか。
商標の並存については、これは出所表示も信用蓄積もどちらも毀損しかねず、たとえWTOルールに反しないからとはいえ考えものであるはいえる。後願側に先願と異なるデザイン要素を加味した商標取得を求める方向で出所表示を担保するのが一案だろうか。
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2006年02月11日

[商標権][創作択一]不使用取消審判

Q.Xは「P」という標章を用いた「衣類」を販売しようとしている。しかし「P」についてはYが「家具」「化粧品」「衣類」を指定商品とする商標登録を得ていた。だが、Yは「P」を「衣類」に使用していない。
このとき次の内から正しいものを選べ。

1:XはYに対しその不使用を立証した上で取り消し請求をしなければならない。
2:Xの主張が認められるとP全部が取り消される。
3:Xは「衣類」のみの取り消しを求めることが出来る。
4:YがPの類似商標を使用していた場合は取り消されない。
5:Yは「衣類」および「化粧品」の取り消しを求めることができ、「衣類」のみ取り消しが認められうる。

正解:3
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2005年12月08日

[商標]4条1項8号にいう他人の「著名な略称」の著名性基準

1.問題提起
商標法4条1項8号は、「他人の著名な略称」をその人の許可なく使った商標は登録できない、としている。では、誰にとって「著名」であればいいのだろうか?
2.具体的事案
このことが問題となったのが国際自由学園事件(東京高裁平成16年8月31日判決(平16(行ケ)168)、最高裁平成17年7月22日第二小法廷判決(平成16年(行ヒ)第343号))である。
東京高裁は「需要者」において著名であることを要するとした上で、教育サービスの需要者は学生であり、学生間では著名でないから同号の適用を否定した。
一方、最高裁は、8号は人格的な利益保護を趣旨としているから、需要者のみならず教育に携わる人において著名であればいい、とし、差し戻して判断させることにした。
3.考え方
大まかに次のように分けられるだろう。





判断基準根拠問題点
A説(高裁)需要者??誤認混同規定と差異がなくなる。
B説(最高裁)当該役務・商品に関係する人8号の趣旨=人格的利益保護
C説日本に住む人全員不正競争防止法に言う著名と同視?同号が働く場面がほとんどなくなる。人格的利益保護につながらない。

特許庁の審査基準によると、割とアバウトだが、B説っぽい。
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2005年11月01日

[商標]アメリカにおける著名商標の希釈化

アメリカでの商標法は通称ランハム法。Lanham Actで調べると出てくる。そんな名前だったんだーっていうのが本音。アメリカの法律は調べにくい。日本はコモンローじゃなくて良かった…と思うのは偏狭?

さてさて、著名商標を冒用するのを防ぐ規定がランハム法1125条。
詳細は次回!
→読めんかったらしい。

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2005年10月02日

[商標][問題集] 権利濫用

登録商標Aを有するXは、Aと類似の標章をAの指定商品に無断で使用しているYに対して商標権侵害に基づく損害賠償を請求した。しかし、YはAに無効事由が存在するとして支払いを拒んだ。
以下の1〜4は正しいか誤っているか。

1.Aの無効事由が明白である場合、YはXの権利行使は権利濫用として裁判上抗弁ができる。
2.1でYの主張が認められ、損害賠償請求が棄却された場合、以後XはA商標権をYに行使することはできない。
3.1でYの主張が認められた場合、Xは誰に対してもA商標権を行使できない。





<回答>
1.正 ※留保あり
否定見解もあるようであるが、特許に比べて専門性が低く裁判官に判断可能であること、特許においてもキルビー特許事件で無効を援用できるとされたことを鑑みれば、可能。同旨〔平尾・376頁〕。
ただし、無効理由がX−Y間で相対的なもの(Yの登録商標が見過ごされ、それと類似の投票がXによって登録された場合など)に限るとする見解がある〔平尾・376頁〕。しかし、上記説明と矛盾するようで疑問。
2.誤 ※調べるべし
判決理由の範囲であるので、商標権無効の既判力は生じないとする見解がある〔平尾・376頁〕。
3.誤
対世効をもつのは無効審判で審決がおりた場合。特許権でも同様。
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2005年09月23日

[商標][課題]流通業者による商標権侵害

小分けで侵害になる場合がある→たとえば旅館で資生堂の製品を旅館名が入った容器に詰め替えたら侵害か?変。場合わけが必要。
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2005年09月16日

[商標・特許]手続き中断があると…

進行してた期間は最初からやり直しだって!(特許132)
posted by かんぞう at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆商標 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月13日

[商標]商標法69条

わかりにくっ!!
第六十九条
 指定商品又は指定役務が二以上の商標登録又は商標権についての第十三条の二第四項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)、第二十条第四項、第三十三条第一項、第三十五条において準用する特許法第九十七条第一項 若しくは第九十八条第一項第一号 、第四十三条の三第三項、第四十六条第二項、第四十六条の二、第五十四条、第五十六条第一項において若しくは第六十一条において準用する同法第百七十四条第二項 においてそれぞれ準用する同法第百三十二条第一項 、第五十九条、第六十条、第七十一条第一項第一号又は第七十五条第二項第四号の規定の適用については、指定商品又は指定役務ごとに商標登録がされ、又は商標権があるものとみなす。


1.出願の取り下げとか却下は指定商品・役務ごとに行われる。
 exclamation&questionと思ったら、出願全体に拒絶がくるとか〈平尾「商標法」204頁〉。あれれ?
 バッド(下向き矢印)逐条解説にも載ってないんで調べないとね。●69条で出てくる13条の2第4項
posted by かんぞう at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆商標 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[商標]4条1項18号

商標法4条1項18号
(4条1項本文:次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。)
商品又は商品の包装の形状であつて、その商品又は商品の包装の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標


立体商標が役務を指定の対象としていた場合で、その出願内容が、その役務に使用する物品としてはありふれた形状であった場合、文言上は「役務」が含まれていないので登録できる。しかも、その物を製造したら、商標権侵害(2条3項3号違反)となる。

※商標法2条3項3号
役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為


これでは不当なので、18号には「役務提供の用に供する物にも類推適用すべき」〈平尾・「商標法」189頁〉。
posted by かんぞう at 16:27| Comment(1) | TrackBack(0) | ☆商標 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月09日

[商標]容器と中身

容器に標章を付しても通常はその内容物についての標章と考える。なぜならば、容器を単独の商品として扱わないから。だから、「容器」について内容物を作るメーカーが商標をもとめても認められないこともあった〔最判H3.6.4.スピルリナ事件〕。なお容器に標章をつける行為も使用。
posted by かんぞう at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆商標 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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