2005年10月17日

[著作権]のまねこ問題を法律の切り口で見てみた

2005年の9月から10月にかけて「2ちゃんねる」を中心とするネット上で話題になった「のまねこ」問題。これを法律の切り口でちょいと整理。

●事実(間違っていたら順次訂正)
2005年? 《《O-ZONEの楽曲》および《《「2ちゃんねる」上で使用される図柄「モナー」》を基にしたのまねこ》を使用したフラッシュ》を「わた」さんが作成。
2005年7月 《上記フラッシュ》の《のまねこ》を一部改変した《のまねこ(2)》をavexの関係会社が作成。《《O-ZONEの曲》のPV》に《のまねこ(2)》を使用する。
2005年9月 avexが《《のまねこ(2)》をもとにしたキャラクターグッズ》販売をし、同時に「のまねこ」に関する商標登録出願。
      2ちゃんねらーを中心に反発。

※《》内は著作権が与えられるもの

●法律関係
・《「2ちゃんねる」上で使用される図柄「モナー」》の著作権は、「モナー」を創作した人(Xさんとでもする)にある。ただし誰かは不明。
・《《「2ちゃんねる」上で使用される図柄「モナー」》を基にしたのまねこ》は、《モナー》の2次的著作物であり、Xさんとわたさんの著作権が及ぶ。
・《のまねこ(2)》は、《のまねこ》の2次的著作物であり、Xさん、わたさん、avexの関係会社の著作権が及ぶ。
・「のまねこ(2)」に関する商標登録は主に「玩具」を指定商品としていたものであり、掲示板での使用等を制約する可能性はない(未確定、より調査をする必要あり!)

●avexの行為は違法か?
○商標登録が許されるのか?
 《「のまねこ(2)」》については、Xさんの使用許諾がおりていない可能性があるので、その図柄を使用することは著作権侵害(翻案権侵害)になる。だが、だからといって商標登録ができないわけではない。法律では他人の著作権を侵害したら商標とは認められないよーとはどこにも書いていない。ただし、「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある」、すなわち「2ちゃんねる」がその商品を売っている元だと誤解させる可能性をもつ、とされ、商標登録されない可能性もある。

○avexはのまねこ(2)を使っていいのか?
 本件問題の核は「モナー」の著作権の所在であると思う。おそらく、一人の人間が作ったのでなく複数の方がモナーの創作に関わっているだろう。となると、モナーの創作に関わった人全員が著作者なのである(モナーを使っていった人ではない。モナーの原型に改変をして今のモナーに近づけた人である)。
 すると、1つ問題が出てくる。なぜ2ちゃんのユーザーはモナーが使えるのか?法律上は、多くのユーザーは著作権侵害をしていることになる。この状態が放置されているのは2つの解釈ができる。
 @モナーの著作権は放棄された。
 Aモナーは「2ちゃんねる」において利用することが何人に対しても許諾されている。
 そうなると、面白い結論が導ける。
 仮に@の解釈を取るならば、avexは何ら違法行為は行っていないことになる
 ではAの解釈をとった場合はどうだろうか?avexは著作権法67条に基づく裁定の手続きをとらなくてはいけない。もしとっていないのであれば、ある意味ではavexの行為は著作権侵害である。しかし、その著作権侵害を誰が主張するのだろうか?多くの2ちゃんねるユーザーも管理人も無理である。匿名の、しかも、多数の者が作ったアスキーアートは@の解釈を取ったほうが無難ではないか?そうでないと、「モナー」は永久にAチャンネルの中でしか使えない。端的にいうと、反中運動において街頭で「モナー」を使用した紙を掲げていたがあれも著作権侵害になる。それって変…と思うのであれば、@が良いと考えるようにしてほしい。

●興味深い点
あたかも2ちゃんねるユーザーの総体が「モナー」の著作権者であるという意識が生まれていたのは面白い。著作権の権利者として振る舞い、著作権の利益を享受したのだ(それ以外には特定の情報を囲い込むことはできないので)。しかも商用利用に対する反発が大きかった。フェアユースの考え方にもつながる。
posted by かんぞう at 13:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆著作権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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