2008年01月07日

[意匠]意匠法3条にいう「公然知られた」の意味

意匠法3条1項1号、および、3条2項における「公然知られた」の意味を指摘するものとして、牛木理一「最高裁判決は絶対なのか−意匠法3条1項・2項の解釈と適用−」知財ぷりずむ2007年11月号《牛木内外特許事務所へのリンク》論稿冒頭部より21頁が勉強になった。備忘のため記事とする。

〔電子オルガン事件〕(東京高判昭和54年5月30日)において、3条1項1号に言う「公然知られた」とは、3条1項2号が「頒布された刊行物」について規定していることとの関係を鑑みれば、「字義通り現実に知られている状態にあることを要する」(判決文)と示された。

上記判決に反する上級審判決がなく、上記判決は現在においても参考なると考えられる。なお、上記判決が示された当時は、3条2項は「広く知られた」との書き振りであったが、平成10年改正で「公然知られた」と改められたため、この理解は、3条2項にも当てはまるものと言える(牛木・前掲21頁)。

ただし、牛木弁理士は、商品カタログについては、刊行物公知にとどまらず、事実上の公知性を推認してもよいのではないかと述べられている(牛木・前掲21頁)。他方、牛木弁理士は、特許公報、意匠公報は、事実上の公知性を推認することは難しいと考えられているようだ。

実際上は、商品カタログの頒布の範囲などを考慮しなければならないように思うが、デザイン関係の慣行を考慮すれば、展示会などを通じて広く流布されるものについては牛木弁理士の説く理解があてはまるだろう。

特許公報、意匠公報については、当業者に限っては先行技術調査、先行意匠調査を行っていることが多い状況さえ確認できれば、事実上の公知性が推認できるように思う。実際のところはどうなのだろうか。
posted by かんぞう at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆意匠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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