2005年09月30日

[読書メモ]中山信弘ら『〔鼎談〕特許製品の並行輸入』(ジュリスト1064,1994年)

●まとめ・注目ポイント
これはBBS事件を受けて書かれたもの。

○属地主義はミスリーディング
まずはじめに、判決後「知的財産権と属地主義」ということをめぐって起きた議論に対して、「属地主義」の用語の混乱を指摘している。
すなわち、
国際私法…自国内で規制対象行為の一部でも行われないと、自国法による規制は行われ得ない。
知的財産…権利侵害があったとき、その侵害地で当該権利が成立しているならその地の法を適用する。
との違いがあり、知的財産の場面でいう「属地主義」はややミスリーディングだと指摘するのである。
とくに並行輸入について<中山信弘>は、外国で適法に市場に置かれたものについて日本での権利が消尽しているかという日本法の解釈問題であると述べている。

○並行輸入は悪か?
並行輸入を認めなければ権利者は国際市場を分割しそこから独占的利益を得ることができる。さらにライセンシーが価格維持を行えばさらに大きな利益が権利者・使用許諾者に流れることになる。この点について競争法からの検討が必要なのである。(つまり並行輸入を止めることが悪という可能性があるのだ。)
では並行輸入を認めたら損なのか?そもそも契約でとめておくことができるのである。しかも内外価格格差があるような場合は通常ブランドに関するものが多数で、特許では起こりにくいのではないかと指摘する。(BBS事件も第1事件は商標権侵害で訴えた。しかし商標は判例上並行輸入を認めている。)

○並行輸入が問題となる真のケース
<中山信弘>は、以上のことを述べた上で原則並行輸入は適法であると特許法上は解釈すべきであるとしているが、例外として
[1]強制許諾権設定により製造された製品
[2]医薬品のように価格設定がされている商品
は無条件に並行輸入が認められないとしている。

●かんそー並行輸入させないほうが良くない!という香りがしたのは意外。てか、いままでの偏見だったな〜。
posted by かんぞう at 12:59| Comment(0) | TrackBack(1) | ☆知財ライセンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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