2007年11月12日

[商標]商標の類似性の立証についての覚え書き

青木博通『知的財産権としてのブランドとデザイン』(有斐閣、2007年)257頁-258頁の指摘に学ばされた。

商標の類似性を立証するにあたり、需要者における混同の程度を、たとえば「両者は似ていると思いますか」などというように単純にアンケートではかれば良いじゃん、と思っていたが、類似性の判断が、「外観、観念、称呼の印象、連想等の全体的考察」+「(その商品の取引の実情を明らかにする限り)具体的な取引事情に基づく判断」(注1)という法的評価であるので、単純なアンケートでは立証できない、と青木弁理士は指摘されている。

なるほどその通りで、立証の補助資料としてアンケートを用いるとしても、観念の類似性、著名性などを逐次確認していくことが大事なのだろう。

ただ、いつでも逐次確認することが必要なのだろうか。すくなくとも、〔氷山事件〕の判断枠組みに従うと、その商品の取引の実情を明らかにする限りにおいて取引事情が考慮されるのである。これが明らかにされていない場合は、取引事情について、アンケートで明らかにしていなくとも良いのではないだろうか。
(注1)〔氷山事件〕最判昭和43年2月27日民集22巻2号399頁。
posted by かんぞう at 23:00| Comment(4) | TrackBack(0) | ☆商標 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も、必ずしもアンケートは必要ないと思います。

商標・不正競争防止法におけるアンケート調査のセミナーをみつけました。マニアックなテーマですな。

http://www.access-brain.co.jp/page024.html
Posted by サイバー at 2007年12月25日 01:12
おもしろい情報提供をありがとうございます。確かにマニアックですね…。しかし、どこまでニーズがあるんでしょうね?
アンケート調査はやってみると難しいところがあるので、ある程度専門的なところに外注した方がいいのでは…なんて思ってしまいます。もしかしたら、アンケート調査結果をひっくり返す側には意味があるのでしょうか。
Posted by かんぞう at 2007年12月26日 01:47
「ひっくり返す側」、実務上は重要です。
不正競争防止法がらみの交渉の過程で、我が社の商標の認知度は、90%といわれると「びびり」ます。
「ひっくり返す」術を知っていれば、交渉にも強くでることができます。
Posted by サイバー at 2007年12月26日 12:46
コメントをありがとうございます。レスポンスが遅れてすいません。
なるほど!実務感覚は勉強になります。交渉面では大きく作用してくるんですね…。
Posted by かんぞう at 2007年12月31日 20:44
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