2007年11月06日

[商標]商標的使用の判断基準を巡る覚え書き

「商標的使用についてわからない!」と感じたので、最近ささやかながら初心に返って勉強している。本ブログのコメントでサイバーさんから教えていただいたように、これまでの裁判例を見ると「混同を導き出す道具概念」であるようだ。

ではどういう基準なのか、と言うところが気になるが、これも経験則的に導くしかなさそう、ということもわかってきた。

その経験則的なまとめをされた先行研究として、榎戸道也「商標としての使用」牧野利秋=飯村敏明編『新・裁判実務体系 知的財産関係訴訟法』(青林書院、2001年)410頁がある。その中では商標的使用を否定的に判断される事情として11の事情が挙げられているが、(直観的な思いではあるが)現在においては、もう少し整理できる余地があるように感じた。

少なくとも、整理できる箇所は一点あった。

事情の一つとして商標権者の不正な意図による登録というものが挙げられていたが、これは現在では商標的使用で処理するよりはむしろ商標法39条、または権利濫用とした方が、理論的に適切ではないだろうか(注1)。

(注1)平成16年改正で特許法104条の3(いわゆるキルビー抗弁)が新設され、これを同年の改正で商標法39条が準用するようになった。榎戸裁判官がこの論稿を書かれたのが平成13年以前であるから、この点はやむを得ない。
posted by かんぞう at 01:20| Comment(10) | TrackBack(0) | ☆商標 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昔、商標的使用態様で整理されていなかったものが、整理される場合もあるようです。

有斐閣「商標・意匠・不正競争防止法判例百選」をお楽しみに。11月中旬に必ず発行されると思います。さすがに、年越しはまずい。
Posted by サイバー at 2007年11月06日 23:52
百選、私は大いに期待しています。ただ、のびてますねー。どなたが留めてるのでしょう。
Posted by かんぞう at 2007年11月08日 01:39
2番目のサイバーさんは、わたしで(1番目)ではありません。混同防止表示をしていただけると幸いです。
Posted by サイバー at 2007年11月08日 13:13
すいません!2番目の書き込みは私です。
ぼんやりしていて、名前欄にサイバーさんのお名前を入れてしまいました。訂正しました。
Posted by かんぞう at 2007年11月08日 22:07
かんぞう 様

了解しました。私の方がJunior Userかと一瞬おもいました。

茶園教授の早稲田での講演内容「商標法26条」、IPアニュアルレポート2007(商亊法務)に掲載されるのも楽しみにしております。私は出席できませんでした。かんぞう様は、お弟子さんのようですね。
Posted by サイバー at 2007年11月09日 08:45
まさかのミスで、ご迷惑おかけしました。
IPアニュアルレポートや北大の知的財産法政策学研究は、COEプログラム創設の甲斐があったと感じさせる、良質の成果物だと思っています。懸念は、今年度で資金配分が終了することですね。私としては継続してほしい、と感じています。

>かんぞう様は、お弟子さんのようですね。
秘密です(笑)。こんなしょぼい弟子を出していることが明るみになって、師の名声のポリューションにつながるのは望むところではないのですよ。
しかし、関西で知財のMaster/Ph.D養成が可能なところ、というと神戸、大阪、同志社、関西、大工大、神戸学院+(最近は)京都、立命館しかないですね。
Posted by かんぞう at 2007年11月11日 00:56
高林教授、田村教授ともお喜びのことでしょう。
以下の大規模なオープンの国際的な講演会が予定されているようです。
特に、北大は、田村教授、そして、あのピーター・ドラフォス教授のご登壇です。すごい! 今なら、航空券もホテルも安いです。天皇陛下がとまられた札幌パークホテルが、「一休」で6,000円。

1.早稲田大学 2007年11月23日、24日

http://www.21coe-win-cls.org/project/activity.php?gid=10052

2.北海道大学 2008年1月12日

http://www.juris.hokudai.ac.jp/coe/seminarinfo/jan08/index.html

Posted by サイバー at 2007年11月11日 16:13
むむ!もしやサイバーさんは田村先生関係のマワシモノですか??(笑)
ともかく、ドラフォス教授はすごい!仕事が忙しい時期なのですが、航空券を予約しようかな…。
良い情報の提供、ありがとうございます。
Posted by かんぞう at 2007年11月11日 23:12
「使用概念」で丁寧なリプライを戴いていたにもかかわらず、ホッタラカシになってました…。ゴメンなさい。このテーマについては知財管理(11月号)の吉田准教授の論稿がコンパクにまとめられていて参考になるかと思われます(…いや、身びいきじゃなくて(苦笑))。結局のところ、「需要者が出所を識別するか」という点がメルクマールでして、「じゃあ、どういう態様なら識別し、どういう態様なら識別しないのか?」を具体例で検討されていました。
Posted by lxngdh at 2007年11月23日 19:14
いやいや、時間のあるとき、気の向いたときにコメントしてください。ときどき当方が「釣る」までです(笑)
タイミングよく知財管理に載っているのですね。情報提供ありがとうございます。これは見たい!
ですが、知財管理って大学を離れちゃうと、会員企業でない限りアクセスが難しいですよね。せっかく高品質なのだからもっと身近にならないかなって思います。知財管理の中の人、誰か見てないかなー。検討してほしいなぁー(また釣り?)
Posted by かんぞう at 2007年11月23日 23:18
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