2007年09月22日

[特許]特許権の通常実施権登録制度見直し議論が期待できそう

■特定通常実施権登録制度創設に引き続き、通常実施権登録制度も見直しへ
今年の5月に産業活力再生特別措置法改正法により、包括ライセンスのライセンサー保護につながる特殊な通常実施権登録制度が導入された。

そこでの議論は、ほとんど利用されていない通常実施権登録制度そのものについての見直しを射程とするものではなかった。
(本ブログ「[特許]特許権の新たな通常実施権登録制度」(2007年7月18日)参照)

本質的な問題を解決していない、という問題意識があるのか、この7月から通常実施権登録制度についてのワーキングループが設けられた。産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会 通常実施権等登録制度ワーキンググループである。まだ議論が始まったばかりであるが、その動きは注目に値する(注1)。

■充実した議論への期待
通常実施権等登録制度ワーキングでは、事務局が緻密に整理した論点が挙げられている。(第1回ワーキングループ配布資料4「通常実施権等登録制度の見直しに係る論点について 」《特許庁へのリンク》。本腰を入れた議論が行われるであろうことを窺わせる。特許庁やるじゃん。

主には、
・必要的登録記載事項の見直し(とくに対価額の取り扱い)
・段階的開示制度の導入の検討
・通常実施権者からのサブライセンスの保護
・出願中の権利についての通常実施権
が議論の中心となるようだ。

2つ目の論点である段階的開示制度の議論は特定通常実施権登録制度が参考になるのかもしれない。

4つ目の論点である出願中の権利についての通常実施権については、補正との関係を含めて考える必要があるとされていた。私は、価値観のレベルではあるが、補正に関与したいというニーズは小さいのではないかと考えている。
委員の一人である茶園教授は、出願中の権利についての通常実施権は「補償金請求権を行使しない旨の宣言にすぎない側面」と、「特許の通常実施権の予約的側面」があると指摘されていた。前者であれば補正に関与する必要は無い。後者であっても、出願公開前は、多くの場合ライセンシーはコアとなる技術思想のみを把握しているものと推測される。

ともかくも先に挙げた特定通常実施権登録制度の議論において、拙速であるとの批判がなされていた(注2)ことを鑑みれば、今回のワーキングループでの議論は、腰の入った良い議論となることを期待したい。
(注1)特定通常実施権登録制度は経済産業省の知的財産政策室が担当しており、他方、こちらの議論は特許庁の制度改正審議室が担当している。一見すると縄張り争いの香りも感じてしまうが、注2に挙げたように違った理由があるのではないかと思っている。
(注2)もっとも、三角合併などによる不都合の懸念に対処することが急務であったことが予想される。
posted by かんぞう at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆特許 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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