2007年07月23日

[知財一般]日本の技術を守るために、普遍的な技術を持つ人材の帰属意識を高める取り組みを!

産業構造審議会 知的財産政策部会に「技術情報の保護等の在り方に関する小委員会」が設けられた。

目的は、
技術情報の流出防止の観点から、企業等における技術情報の管理の現状や現在の技術情報の法的保護の有効性の検証等を行って官民それぞの課題を総点検し、技術情報の保護等の在り方について検討を行う

ところにあるようだ。

すでに不正競争防止法の改正により、法制度として技術情報保護が図られているが、その制度の点検という意味があるのだろう。作ったら作りっぱなしでない、という点は高く評価したい。

素人考えではあるが、日本の法制度面での抜け穴は無いように思われる。問題となるのは主に海外への流出だろう。懸念される流出先に技術情報保護法制の導入要求や、場合によっては法制策定支援を行うことがいるのではないだろうか。

運用の点については、経営サイドで改善すべき事項があるかもしれない。退職者の処遇についてである。

第1回小委員会の配布資料5「我が国における技術流出及び管理の実態について」に上がっている通り、ヒトからの流出、それも退職者からの流出は依然として大きな流出原因となっているようだ。

だからといって、一概に退職者による技術指導活動を禁止することはすべきでないと、私は考えている。技術情報は時に退職者の人格の一つになっていることがあるだろう。それを活用するな!ということは、あまりにも酷であろう。生きがいを失わせる場合もあるように思う。法的にも問題があって、「職業選択の自由」ないし「営業の自由」と言う点から、おそらく憲法上の問題をも生じさせる。

そうであるならば、退職者が問題となる流出を自発的に生じさせないようなインセンティブを設ける必要がある。「組織への帰属意識向上」や「継続雇用」への取り組みは、そのようなインセンティブの一つである。この観点から言えば、「猫も杓子もリストラ」という風潮は最悪であった。技術者の組織への帰属意識を削ぐのに十分であったと推測される。(言うのは簡単なので恐縮だが)多様な視点から評価できる仕組みによって、帰属意識を高める仕組みづくりを進めていってもらいたい。

ただ、退職者からの技術流出が本当に競争上の脅威となっているかについては、なお調査の余地がある。例えば中国を例に取ると、確かに、多くのOB人材が中国で技術指導を行い、結果として中国の製造業を中心として競争力が向上した。しかし、そうでなくても中国は競争力が増している過程でもあり、また、リバースエンジニアリング等を通じて得ていたものもあるだろう。

退職者から流れるのは、かつての技術情報である。必ずしも競争上の脅威に直結するものではない。問題は、ある程度普遍的な技術情報の流出であろう。そのような技術を持った人材を適切に確保する取り組みを行ってもらいたい。

なお、小委員会の情報は以下から入手できる。
《議事録、議事要旨、配布資料への入り口:経済産業省にリンク》
posted by かんぞう at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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