2007年06月24日

[つぶやき][時事][知財一般]卒業論文・研究計画書・修士論文のテーマ選定方法論

一介のエセ修士として、私が会得した「楽で」「最低限のものは書ける」学生用論文テーマ選定方法論を示してみたい。なお、能力のある方にはおススメしない。あくまで、「おもしろそうだから知的財産法で卒論(卒業論文)を書きたい」「なんとなく知的財産法で研究系の院に進みたい」「うっかり知的財産法の研究をしてみたけど修論のネタがない」人向けである。ちなみに私は2番目と3番目であった。お恥ずかしい限りである(笑)

コツ1:でかい獲物は追わない

まず、あまりでかいテーマは追わない方が良い、というのが私の経験である。「知的財産法の再構成」などとぶってみるのもいいが、そこまで知的財産法をやりこんだのか?と聞きたくなる。そんなものができれば「神」である。

もっとも、細かいテーマではつまらない、というのも多くの学生の本音だと思う。
卒業論文や研究計画書では抽象的にはこれから1ランクブレイクしたレベルでかまわない。問題意識が明確であるし、着地点は見えるからである。例えば、「著作権の間接侵害について」、や、「著作権の非親告罪化」などのレベルのテーマだ。

ただし、これらのレベルを真正面から取り組んでオリジナルなことを言うのは困難だ、というのも私の経験である。多くの優秀な先生方が取り組んでいるものなのだ。若い私たちではまだまだ未熟だ。卒業論文では、学説のまとめと自分のコミットする意見の提示でよいだろう。

研究計画書では、おおよその方向性を示した上でさらにブレイクダウンする可能性を提示して見ると良い。たとえば「これまでの判例はほんとうにおかしかったのか」とか「これまでの判例は法の欠缺を補うためむちゃくちゃ努力してるっぽい」を検証するなどである。

コツ2:テーマは新しいものが楽(でも本当は古いところにもタネがある)

知的財産法学も成熟してきた学問であるので、大方のテーマは堀りつくされている。多少オリジナルなものが書ける余地があるものを、学生が見つけるのはなかなか難しい。とっかかりとなるのが、ここ1年に出た裁判例(で、あれ?何でこんな「結論」になったのだろう?というもの)や、昨日の記事で話題にした「知的財産推進計画」である。(具体的な面白そうなポイントは本日の別記事参照)

裁判例でとっぴなもの(に見える結論が出たもの)は往々にして、何か訳があってそのような結論が出ている。その背景を探ると、以外に条文解釈の変化の芽が摘めることがある。あるいは、法の穴を見つけられるかもしれない。

次に、知的財産推進計画で取り組まれようとしているものは、これから議論が深彫りされるものだから、「やってみたけど、新しいことはいえなかった」などということはない。もちろん、ホットイシューだからこそ真正面の話は他の研究者に先を越されてしまう可能性があるのだけれど、「○○先生の考えで問題はない」というあたりのことを結果的に検証できるかもしれない。学問的に価値は薄くても、自分の中での価値は大きいように思う。

そんな甘いことをしたくない人は、その問題を1レベル分解して、明らかにすべき点(たとえば現状の運用の問題など)を詰める事でそれなりの貢献になる。

コツ3:安易な比較法はやめたほうが無難

最後になるが、安易に比較法はやめた方がいい。外国の法律について、日本で、しかも、日本語で考えることに何の意味があるのか?という疑問がまず出てくる。日本法への示唆を見出すには、外国法解釈の背景事情を抑えないと、検証段階でつまづいてしまう。

ただし、知的財産法においてある概念をめぐっての解釈論では使えるかもしれない。よく調べたら制度背景が違った、なんてことがあれば「外国法の紹介で〜す」っていう風に逃げるのも手ではあるので、絶対やめろ、とは言わない。
posted by かんぞう at 15:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ●つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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