2007年01月31日

[商標]アメリカ連邦商標法におけるサーティフィケーションマークについてのメモ

サーティフィケーションマークってのがあるんだ。ふーん、という思いのメモであるが、制度の違いが面白かったので、まとめてみた。

アメリカの連邦商標法(注:連邦制であるので、州法で定めることが出来る。商標に関しては、州内では州法が、州際取引では連邦法がそれぞれ守備範囲となっている。)では、商品・役務の原産地・品質表示について、商標の一類型として捉えられ、独自の規制が吹かされている(なお、サーティフィケーションマーク:Certification Markの定義は15 U.S.C.§1127)。

その独自性は、次のような使用をした場合に、登録が取り消されるところにある。
・商標権者が、他者による使用を管理・規制していないとき
・登録商標が使用される商品・役務の製造・マーケティングに携わったとき
・原産地・品質等の表示以外の目的で使用したとき
・規格を満たす商品・役務等についての使用許諾における差別的取り扱いをしたとき
・商標権者自身の商品・役務に用いたとき
(15 U.S.C. §1064、邦訳筆者。)

このことから分かるとおり、かなり消費者保護を意識したものとなっている。
このような制度は日本には無い。かなりの程度制約が大きいものであり、米国でのそのような商標登録には注意が要る、ということだろう。

ところで、日本には無いから同様の制度を容れるべきだ、という論を、比較法をやる初学者は言いがちである(という言い回しではいかにも偉そうだが、自分自身は比較法をやるド素人である)。だが、日本ではこの制度は必要ない。単に、登録商標として何らかのマークを取得し、特定の品質を保証する使い方をすればよいからである。

もちろん、品質管理に対して、「形式的には」国が関与できるという点では、サーティフィケーションマークも意味があるのかもしれないが、事後的にしか関与できない点では、あまりメリットが無い。むしろ、結果としては商標に対する信用という形で市場に任せた場合と変わらない。

昨日の森田先生の論文を読んで、安易な比較法は怖いなーと思っていたところなので、おもしろい例が目の前に現れて、嬉しくもなった。

ちなみに、アメリカ商標法についての概略の邦語文献は、創英知的財産研究所『米国商標法・その理論と実務』(経済産業調査会、2004年)がある。つかみには最適である。より理論的なもの、あるいは、実務上詳細なところを知りたい場合は、いまのところ、英語文献に当たるほかなさそうだ。
posted by かんぞう at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆商標 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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