2006年02月27日

[不正競争][著作権]企業の情報開示と営業秘密

企業にあってはステークホルダー(とくに株主)に情報開示を求められるが、営業上の秘密も漏れかねず、なかなか気を使うところだろう。
(…と第三者的にいえるのが学生のお気楽なところである。)
特に特定の人に開示したのに、その人が勝手にネットで公開してしまった!という場合にどう対処するか。簡単にまとめ、検討個所を挙げた。

●取締役会議事録をめぐる具体的事案
「ダスキン取締役会議事録事件」というのがある。大塚大先生(大塚大・先生である。大先生では…いや、下っ端学生から見れば大先生に変わりないか。)のブログで綺麗にまとめていらっしゃるのでそちらを参考されるべき(→駒沢公園行政書士事務所日記 2005年11月05日)であるが、簡単にまとめると、株主に取締役会議事録を見せたところ、それをウェブに載せられてしまった、というものである。
ここでは著作権侵害と不正競争防止法違反(営業秘密の不正開示)が主張された。
公開差止めを求める仮処分では著作物性が認められたが、
その後の損害賠償訴訟では、著作物性はありふれた表現であるとして否定、営業秘密の点については秘密管理が出来ていないとして否定された。
(★この点に判決文検討の余地あり!ダスキンの管理体制の問題でしかないのかもしれない)
ただし、意に反して公開されたことでいわゆるブランドが傷つけられたとして不法行為成立を認め損害賠償は認めている。(被告側の壇弁護士はそんなのねぇよと嘆いていらっしゃった。まさか、防禦がつくせないようなものだったんじゃないよな??話を伺うチャンスがあれば伺いたいものである。)

●一般論
無断の開示に対しては4つ手段が考えられる。
1.著作権侵害
2.営業秘密の不正開示
3.(虚偽の事実も足されていた場合には)営業誹謗(不正競争防止法2条1項14号)
4.(虚偽の事実も足されていた場合には)風説の流布(証券取引法)

1.について
議事録について著作物性が否定された事案が出ており、これは他の企業情報においても当てはまる可能性がある。あまり当てにはならない。
あるいは、開示情報中にあまり必要性が無くても著作物性がある情報を埋め込むのも手かもしれない。
これは★要検討。

2.について
どうしても秘密にしたいものは株主への開示の際にも逐一秘密保持契約を結んだ方がよさそうである。
そうすれば文句が無いが、絶対に開示しなくてはいけないもの、たとえば商法に定めのある営業報告書なんかは、秘密保持契約を結ばせることは出来ない。開示されてもこの点はあきらめるべきである。

3.4.について
掲載時に評価が加わる事が多いはずであるが、そこでもしウソが出ていたらここがつかえる。
ただし、批評が主でごくわずかな虚偽が混ざってしまった場合にもいえるかについては★要検討、風説の流布といえるかについても★要検討。
posted by かんぞう at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆知財一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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