2006年02月14日

[知財一般][不正競争]表示画面の法的保護のあり方(検討その2)

≪2005年12月12日[著作権]プログラムの表示画面の保護≫に続く検討を行う。

≪ITmediaニュース「ネットサービス"そっくりさん"登場のなぜ」(2006/2/13)≫が取り上げたように、現在プログラムの表示画面のみならずWebサイトの構成も「そっくり」なものがあらわれている。
もちろんここではあらゆるウェブサイトの「そっくり」を問題にするつもりは無い。前回検討したように、私的なサイトにおいては著作権違反といえるもの以外は問題ないと考えるからである。

ここで取り扱いたいのは、営業上(しかもウェブ上での営業を行っていることに絞りたい)競争関係にあるもの同士のサイトがそっくりであることについてである。(ヤフーとライブドアのポータルを想像していただければ分かりやすい。)

上に挙げたITmediaニュースでも栗原潔弁理士が指摘していたが、著作権法でも不正競争法でもなかなか捕捉しにくい。
だが、ウェブ上で営業を行っている者にとって、機能的な表示画面は自他差別化の源泉、まさに利益の源泉ではないだろうか?これは、他の有体の商品で言えば「形態」と同じ位置づけにあるのではなかろうか。放任しておけば良い表示画面を作ろうとするインセンティブが削がれるのみならず、同じようなサイトが乱立することにより、たとえばポータルサイトなどのビジネスモデル自体も弱体化してしまわないだろうか?(特に問題としたいのは、すばらしく使いやすい画面をもって参入したとしても、これが大手サイトに奪われたらその者はビジネスから撤退せざるを得なくなる点である。現状は、ヤフー、グーグルなどそれぞれのブランドが集客の中心となっているように思われるのである。)

そこで、表示画面を不正競争防止法2条1項3号のような形態模倣禁止の枠組みで保護することが適当か否か検討する

第1に法的側面から検討する。
まず目的は、表示画面の開発にかかる投資の保護ということで問題は無いだろう。
しかし問題となるのは機能的形状との区分の困難さであろう。
表示画面は自由度が高い。それゆえその形態が不可避といえる場合は少ないことが想像される。しかし、いきすぎるとかえって他社の参入を阻む要素となり得る。
バランスが難しい。

次に実質的な側面(法政策的な側面)を検討する。
明確に異なるのは違法性に対するコンセンサスであろう。
2条1項3号ですら対象はデッドコピーに限定している。有体の形態をデッドコピーする――すなわち他人の商品の型をとりそのまま使う――などということは、「やってはいけないことだ」という認識はほぼ行き渡っている。
一方で表現活動に限りなく近い表示画面作成において「模倣」は悪だという認識は必ずしも共通でない(また、一般にそのようなことを言うのはむしろ問題である。)

現状においては形態模倣で捉えること(あるいは捉える方向に向けること)は現実には難しいだろう。だが、今後検討する余地はあるものと考える。
posted by かんぞう at 13:49| Comment(2) | TrackBack(1) | ☆知財一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご専門の詳細な記述に思わず目を開かれました。やや趣旨は違いますがTBさせてください。
Posted by yutakami at 2006年02月14日 16:39
恐れ入ります。広告などの消費者(利用者)とのインターフェースを中心に法的にどう取り扱うべきか興味を持っ多野が最近であり、研究は始めたばかりですので、あるいは誤ったところ等あるかもしれません。その点ご容赦願います。
さて、ブログ拝見させていただきましたところ、広告を通じた経営リスクなど興味を引かれる内容でした。ちょくちょく拝見させていただきます。
Posted by かんぞう at 2006年02月20日 12:34
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