2009年09月13日

[著作権]米国の録音物に関する著作権についての覚書

十分に調べ切れていないため間違っているところもあるかもしれないが、日米の差異として気になったので、覚書を。

米国では、1976年著作権法によって、録音物それ自体の著作権(日本では著作隣接権に位置づけられる)は、公衆に対して当該録音物を用いること(公演すること)には及ばない規定となっている(米国著作権法114条)。これは、立法者が明確に意図して作られた規定である。

つまり、録音物を公衆に対して利用する際(注1)、利用者は、録音物が音楽の著作物であれば、作曲者、作詞者(詞がある場合)、実演家(米国では媒体に固定された実演についてはその著作権者となる)から利用許諾を受ければよい。レコード会社が利用に当たっての権利処理に介在する必要が乏しいことになる(注2)(注3)。

音楽関係の著作権を巡る議論において、米国の議論を参照する際には十分に注意したい違いである。

ただし、録音された物の公衆送信には録音物に関する著作権を有する者の権利が及ぶ(つまり、レコード会社の権利が及ぶ)(米国著作権法114条)(注4)。この点を考えると、実際上は日米の違いはそれほど大きくないのかもしれない。

(注1)録音物を私的に使用する場合は「録音物を使用する際」と表現すれば良いので、厳密には「録音物を利用する際」で良いのだが、念のためこのように表記した。
(注2)録音されている著作物に関する権利の譲渡を受けていない限り、窓口として有益というものに留まるだろう。
(注3)著作権の集中処理を行う場面で、使用料についてレコード会社に分配される額が多く、伝統的な著作者(作曲家、作詞家)の取り分が少ない、といった不平が出ることもない。
(注4)Arthor R. Miller & Michael H. Davis(著)=藤野仁三(訳)『アメリカ知的財産権法』(八朔社、2008年)220頁によれば、ロビイングの成果であるとされている。
posted by かんぞう at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆著作権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。