2009年08月03日

[つぶやき]ブランドブームはいつくる?

知的財産権のうち、商標権・意匠権というツールを使う要因となるのが、ブランドによる競争力強化であると思う。ブランドと一口にいっても、切り口が様々にある。対象によって切るとするならば、企業、事業、製品の3つに分けることが出来ると考えられるが、そのうち、企業ブランド(コーポレートブランド)が日本で注目されるようになった理由を見てみるとおもしろい。

企業ブランドに近い概念で、最初に話題に上ったものが「CI(コーポレート・アイデンティティ)」だろう。CIは日本では2度話題になっている。
第1次ブームの1970年代の要因は
、(1)米国の流行の取り入れ
(2)オイルショック等による内需伸び低迷期における売上向上への期待
にあるようだ。
第2次ブームの1980年代の要因は
、(1)バブル経済に乗った企業イメージの刷新と社員の連帯意識の醸成への要請
(2)NTT分割・JR民営化の中での大手国営企業によるCIの導入インパクトの高さ
にあることと思われる(注1)。

他方、1990年代後半から生じた「企業ブランド構築」は、
(1)経営資源の中の無形資源をしめる大きな要素としてのブランド価値の認識
(2)連結決算への転換にあたってのグループのアイデンティ確立の必要性(それまではグループ内でも統一性を欠いていた)
(3)新興企業への対抗
にあるとの見解がある(注2)。

私は、直観的にはこれらがブームだったと言い切ることは出来ないと思っている。可能性の一つとして、企業ブランドをひとたび構築しても10年程度でその効果が途切れてしまうことにもあるのではないかと推測している。

いずれにせよ、企業ブランドが注目される波がもしもあるならば、2010年を過ぎたころかもしれない。そのようなときに、「ブランドを構築するための媒体・ツールをどのように他者から守るか」、「ブランドの核となるメッセージを伝える表現をどのように抑えて独占を目指すか」が重要になる。特許権に埋もれがちな商標権・意匠権もこのときは注目されるのではないか…と思う。

(注1)深見幸男『CI入門』(日本経済新聞社、1991年)を参照した。
(注2)伊藤良二『コーポレイトブランド戦略』(東洋経済新報社、第2版、2004年)16頁
posted by かんぞう at 19:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ●つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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