朝日新聞「「休眠特許」発掘に本腰 特許庁、特典も検討」2009年5月24日記事
(略)埋もれている特許の活用が課題になっている。07年には約39万件の特許申請があった。特許は20年で切れる。埋もれた特許をどう利用していくかを含め、特許庁は、11年の通常国会で50年ぶりとなる特許法の抜本的な改正案を提出する考えだ。
大学や企業の発明と違い、個人が出願した特許はなかなか人目に触れにくい。
(中略)
特許庁は、特許の利用を促す仕組みとして、特許を新商品や新サービスに積極的に活用してほしい発明者らに、権利の維持に必要な費用を減額する特典を与えられないかなどを検討している。
第3期知的財産戦略の基本方針を見る限り、利用を促す方策は中小企業・個人に限っていないので、本記事が個人の出願した特許を問題としているのはあくまで一例なのだろう。
審査の滞貨が問題となり、活用をしない特許出願の審査請求の抑制をはかることを狙いの一つとして、2004年に特許審査料が値上げされたが、それから比べると隔世の感がある(なお、中小企業・個人に対しては審査料減免を設けており、審査請求抑制は行われていない)。
ただ、技術移転という意味での特許権の利用を促すのであれば、「使いやすい明細書の記載」「検索されやすい明細書の記載」を検討し、発明家や弁理士に周知することも有効であるように思う。例えば、記事の示す通りなかなか人目に触れにくいとされる個人発明の技術移転例を調べて、そのきっかけや、明細書記載上のポイントを検討してみても良いのではないだろうか。