2006年01月17日

[著作権]公貸権をめぐる政策案

11月10日に触れたことであるが、このことについて地方行政に携わる方、学校運営に携わる方、政策学の専門家を交えて議論する機会があった。

図書館の現場に近い方に勤務されている方(下線部1/23訂正)から見ると、流行書が数多く買われる要因は、司書の方たちに広範な裁量があり、経済にどういう影響を与えるかについての認識が乏しいからである、とのことであった。見識が深い司書の方には申し訳ないが、一般論として鋭い指摘であるように思う。(ただしこれがすべての図書館で起こっているのではない。一部の図書館で起こっていることを指摘し、図書館のあり方についての議論の必要を提起するものである。)(下線部1/23追加)
もちろん、司書の方が読書を通じた文化発展というものをきわめて大事にされていることは理解できる。しかし、図書館の機能として読書の場を著作者の犠牲の下に提供する必要が今あるのだろうか?

公貸権をめぐる政策としては2つの方向性があるだろう。
1つは、公貸権を設け、その例外として学術書、あるいは学校図書館を指定する。
いま1つは、図書館法を改め、民業圧迫につながる部分を排除すること。
前者はそのアーキテクチャ構築に費用がかかる。
後者は地域政策としてそういうことが出来なくなるのが問題だ。
選択的に出来ればそれに越したことは無いが、それはそれで不自然だ。
さて、どうしたものか。
posted by かんぞう at 19:53| Comment(12) | TrackBack(0) | ☆著作権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして

いくつか疑問を提出したいと思います。
「図書館の現場に近い方」が、どういう立場なのか、かなり曖昧です。出版社や著作権者の人間も図書館勤務者も「図書館の現場に近い方」であり、流行書が云々の発言がどちら側からの発言かによって、一般論としての「鋭さ」が変わってくると思います。

「著作者の犠牲」「民業圧迫」ということを前提にしていることに違和感があります。図書館による貸出が、売上の減少に繋がっているかどうかという点について、まだ結論が出ている段階とは言えないでしょう。また、それが「不当」でなければ、国際条約上権利制限することは可能です。「公立図書館貸出実態調査」などもご参照ください。

「アーキテクチャ構築」とは、どのようなものを想定されているでしょう。

なお、理念として、学術書と娯楽用の書にわけ、後者にのみ公共貸与権を及ぼすという意見には同意しますが、その境界を定めることは現実的に不可能ではないでしょうか。
Posted by 長作 at 2006年01月19日 03:07
ご意見・ご指摘ありがとうございます。
大変良い刺激を受けますし、勉強にもなりました。

1点目『「図書館の現場に近い方」が、どういう立場なのか』については、図書館勤務の方および学校事務の方(図書室運営にも関与)です。内部からの批判でありましたので、私は驚きをもって受け止めました。
ですから2点目としてご指摘の、「民業圧迫である」との著作権者サイドに寄った視点も提示したわけです。お教えいただきました公立図書館貸出実態調査も参照させていただきました(そのような調査があると存じませんでしたので大いに参考になりました。お教えくださいましてありがとうございます。)。もちろん、いまだ議論中であることは認識しております。上記の状態が一般的であると誤解される表現をしてしまった点についてはお詫びいたします。図書館勤務の方が自らの自治体で起きていることとして報告されたこと(人口10万人前後の都市の図書館で30冊ほど同一書籍を購入することが見受けられるそうです)であり、制度上そのようなことがどこでも起こり得るし実際に起こっている、これは問題になるのではないかという趣旨でありました。

3点目については、いつどこで何が貸し出されたかを統一して管理できるシステム構築が出来ればよいのではないかという趣旨です。公貸権の議論にもいろいろ分かれていますが、かつて話題になりました「コピーマート」のシステムを導入したらいいのじゃないか、という立場の考えを述べたものです。このようなシステムが構築可能であれば、刊行後一定期間の文芸書についてはいくらかのフィーを取る制度も出来る、と考えました。このようなシステムを導入すれば、大学図書館で用いられております「NACSIS Webcat」という検索システムがありますが、このような検索システムとの連動も可能になりうる点は利点となるのじゃないかと考えております。(もちろん誰が管理し、費用負担するのかという問題が大きくのしかかりますし、導入コストは…となってくると昨今の地方分権から逆行する話になりかねず、思い至らずというのが正直なところです…。)

4点目についてはご指摘のとおりで、可能な方法は、物理的なハコで分ける方法だと思っております。つまり、「学校内の図書館」を例外扱いする、というものです。少なくとも小・中学校においては教育上の目的が大きいでしょうから、これを除外するというのは権利制限としても受け入れられるものではないでしょうか。
ただ、こうしますと問題なのは学校図書館を開放し地域の図書館と共通のものとしている自治体でして、政策の幅を狭めるのはまずいなぁ…と悩んでおります。

図書館の今後のあり方、さらには書物の流通のあり方は十分議論され考えられるべきと思っております。もちろん、権利者側は再販制度に胡坐をかいてはいけない、と思っています。しかしながら、図書館に指定管理者制度導入がされている現状においては、本質的な議論を置き去りにしたまま、利用者の安易なニーズ寄りの方向に動いて行く可能性もでてきていないでしょうか?(そうなりますと、ストレージとしての図書館が減っていってしまいます。それも危惧の一つです。)その点から問題提起をしたわけです。

長作さんのご意見も伺えたら幸いです。特に図書館のあり方や書物流通のあり方に踏み込んだ意見いただけますと大いに参考になります。
Posted by かんぞう at 2006年01月23日 20:50
乱文になってしまいますが。

なるほど。しかし司書の裁量を狭めるということが解決に繋がるわけではないですね。また、例示されている司書がよほど問題を抱えているのでなければ、経済にどういう影響を与えるかについては調査中なのですから、この図書館勤務の方も認識に乏しいかどうかの判断は安易に下すことはできないでしょう。利用者のニーズに合わせることが、地域の読書文化に大きな貢献をしているかもしれませんし、複本をやめたからと言って本が売れるかどうかはわかりませんし、ある本を借りて読んだ人が同一作家の別の本を買うこともありえます。このような総合的な判断が求められる場合は、調査方法や結果の「読み」についても充分な検討が必要ですし、著作権とその周辺産業についての議論では、統計の基本を無視した意見が散見されます。また、図書館勤務者で本が好きで、特に特定の作家に思い入れがある場合などは、作家=権利者側の代弁者となることも不自然ではありません。

公共貸与権については、権利者に不利益があるとすればいわゆるベストセラーの複本であると考えています。現実的な対応策としては、発売後1年程度の貸出停止期間を作るのがよいかと思っていますが、充分つめて考えている訳ではないです。

公共貸与権の導入によって、ごく一部の成功した商業的作家にさらに利用料を支払うことよりも、予算や利用環境面での負担が利便性を損ね、文化の発展を阻害することのほうが圧倒的に問題であると思っています。経済性の悪い学術書や稀覯本の収集、保存なども図書館の仕事です。また、公共図書館は知る権利の最も重要な拠点となることも考慮するべきでしょう。そして、商業作家であれば、手元に置いて繰り返し読まれるような作品を書くことで、読者にとっても購入することが最善の選択となるようにすべきでしょう。さもなければ、読者としては、読んでつまらなかった時に本の代金と時間を返して欲しいものです。また、出版社の経済的な判断で再版していない著作者の権利はどうすべきかという問題もあります。買えるのに借りている場合には買わないという判断があるのですが、買えないから借りている場合は、あれば買っている可能性も高く、これらのバランスはどのように取るのでしょう? また、利用者の安易なニーズと、それに迎合している図書館がどの程度あるかの調査は必要でしょう。うちの近所だと新刊ベストセラーは100人待ちとかいう状況になっていますが、100人待ちを待つ人は、図書館になかったからといって買うとは思えない。

「いつどこで何が貸し出されたかを統一して管理できるシステム」については、「誰が」の部分をいかに排除するかという問題があります。貸出図書は、個人情報であり場合によっては思想統制や出自にまつわる差別の問題にも繋がりうる情報です。「誰が」の部分を「管理しうるシステム」への抵抗は強いと思います。

まずは、「どこに何があるか」の統一した管理システムの構築がすすめられるべきでしょう。特に専門図書館や地方の公共図書館をまとめて検索できるようになることを望みます。その次に行なわれるべきは、利用者の管理ではなく、権利者の管理だと思われます。どこに支払われるべきか、どのように分配されるのかという点については、現在の貸与権でも問題となっています。個人的には公共貸与権には賛成できませんが、このシステムが構築されることによって、複写の強制許諾と報酬請求権という形が可能になります。入手が困難な図書の全文複写が可能になることは、研究者、あるいは視力などの問題で読むことが困難な場合など、さまざまな場面で有用な利用に繋がります。

学校の図書館については権利を制限するというのは、試験問題等での著作物の使用すら問題となっている現状では、簡単には認められないでしょう。また、小中学校の図書館においては、文芸の著作物の教育的利用であって、学術書がおいてあるわけではありません。

長作は、それなりの手続を踏むことによって、現存するすべての書物にすべての人がアクセス可能な状態を保証する状況を望みます(より強く言うならば、それが最低限必要な状況であると考えます。また、適正な対価を支払うことによって私的領域に複製を置くことを可能にすることを望みます)。それが「知る権利」の保証となります。そのために検索システムが必要であったり、発売されるすべての書籍を購入する大型図書館が複数必要であったり、保存のための複写が必要であったり、協力貸し出しが必要であったりして、そこで著作権法の改正や権利処理のシステムが必要であったりすると考えます。

その上で、地域の図書館や小中学校の図書館では、利用者のニーズに合わせることで書籍への入り口となり調査研究の拠点としての役割を担うことが「求められる」でしょう。その場合、権利者との経済的なバランスを取る必要が生じることもあるかもしれません。

いずれにしても、図書館のあり方を考える時は、新刊図書の経済よりも、膨大な絶版/版元品切れの本のことを中心に考えるべきだと思います。

Posted by 長作 at 2006年01月24日 05:02
昨日、図書館のあり方をお聞きしておきながら私見を示しておらず、失礼をしてしまったと思っておりました。にもかかわらず忌憚の無いお考えを頂きましたこと感謝しております。

あるべき姿においては、長作さんが私の思うあるべき姿と非常に近いものをイメージされていらっしゃるように思います。

私も図書館の役割は、(1)書籍へのアクセス確保、(2)調査研究のためのストレージ、と考えております。
ただし、学校図書館においては(3)言語教育、といった役割も入ってくるでしょう。

現在(1)の点につき作家側・出版側の反発が出ているわけですし、今後の図書館の運用如何では彼らの主張がより強まってくるかもしれないことを危惧しています。そこで、あらかじめ妥結策をとっておくのではないか、すなわち、アクセス確保のためには報酬制度を基礎付けるための公共貸与権を創る選択肢もあるのではないか、という見解に立っております。長作さんのおっしゃるように権利処理システムを作るべきでは無いか、と考えております。
もちろん、システムを作ると維持管理コストがかかりますし、それくらいならば一年間貸与禁止期間を設けた方がいいのではないかというお考えとの政策的検討が必要でしょう。ただ、私はアクセスは「いつからでも」できた方が望ましいと考えておりまして、そのためには「一定期間」ペイする仕組みにしてもいいのではないかなぁ、と思います。

(2)の点については、私はこれが今後図書館の役割として重要性が増してくるのではないか、と考えていまして、(これは私の希望的な見方でありますが)公共貸与権の議論が起こることによって、この点が強調されてくるのではないかと期待しております。表現を変えますと、新刊貸与の経済的問題点を強調していきますと、(i)新刊を図書館が購入するインセンティブを削ぎ希少な本、調査研究に資する本へ予算が回る可能性が高くなる、(ii)図書館のあり方として(1)の優先順位が下がり、より(2)が重視される、と思うのです。

ちなみに、私が「管理システム」としてあるべき姿と考えていますのは、まさに「誰が」を排除したものであります。(だからこそ、「いつどこで何が貸し出されたかを統一して管理できるシステム」と申し上げました。)「誰が」を管理するようなものであれば、ご指摘のように思想調査になり危険であると思います。システムとしては、権利者側が一定のコストと引き換えに、報償金請求の対象となる刊行物を登録し、対象とする刊行物の刊行から3〜5年程度一定の報償金を支払う仕組みにすべきではないかと試論しています。(あるいは、3〜5年の後は安価な報償金を設定するのも手かもしれません。)
(誤解を恐れず申し上げますと、私は出版社、レコード会社などのdistributorに対してはデジタル化・ネットワーク化がなされた今となっては著作権・著作隣接権ではなく不正競争防止法の成果冒用禁止規定型の法的枠組みで対処すべきだと思っております。ですから、上記システムを主張する次第です。ただ、条約で決められた枠組みですから「思う」だけにとどまらざるを得ません…。)

長文となってしまいましたが、共通するところは、
(a)権利者の管理システムも作るべきではないか(とくに権利処理を一括して行えるようなシステム)
(b)書物へのアクセスを図りやすくするシステムを作るべきではないか
(c)調査研究の拠点としての図書館の役割も強調されるべきではないか
といったところであると思います。
その点へいかにたどり着くか意見が分かれたのだと認識しております。非常に勉強になりました。
ありがとうございます。
Posted by かんぞう at 2006年01月24日 20:27


(1)の点について、まず、作家側・出版側の反発が妥当なものかという点についての評価に違いがあると思われます(三田誠広氏の主張は、一度確認することをオススメします。ただし、その主張がどのようなものであれ、公共貸与権の導入が文化の発展に寄与するかどうかについての検討は別になされることも必要でしょう)。公共貸与権についてぼくが否定的なのは、妥当ではないという意識が強く、公共貸与権は一度決まると動かし難い性質のものであるからでしょう。反発への対処としての貸出期間制限であって、実際のところそれすら必要ではないと個人的には考えています。
システム管理費については、現在作家・出版者側が主張している枠組みでは捻出できません。また、図書館予算からシステム管理費を供出するという仕組は、図書館予算が充分だと思えない現状では(政治的にも)取るべき選択ではなく、文化振興費みたいなことで別枠で予算を付ける方向が好ましいと考えます。

(2)の点について、もっとも意見が食い違っている部分があるようです。
「調査研究」は、どの程度の水準を想定しているのでしょう? たとえば、山歩きをしていた時に見つけた草の名前を知りたいという「調査研究」の場合、各図書館で所蔵している図鑑類で調査は終わるでしょう。見つからなければ、あきらめることも多いでしょう。それでは見つからず、しかもどうしても突き止めたいという熱意の下、専門的な図鑑や古典・古典籍、学術論文などを探そうとした場合、現行の著作権法や図書館内の規定を超えた権利処理システムや図書館間の協力体制が必要となります。特に複本などが問題となっている公共図書館を念頭に置く場合、後者のような水準で「(2)調査研究のためのストレージとしての図書館」を必要としている数は少ないと予想されます。したがって、公共図書館が新刊文芸書の購入を控え、調査研究に資する本にまわるというのは楽観的で、購入を控えずに公共貸与にかかる利用料が図書館予算を圧迫して調査研究に資する本が増えないままであるか、購入を控えた段階で利用者が減少し、図書館予算自体が削減されるという結果が予想されます。「(2)調査研究のためのストレージとしての図書館」の重要性は痛感しておりますが、公共貸与権とは馴染まないと思っております。

ベストセラー作家の利益を図書館が損なっているのであれば、前者のような一般的な図鑑の閲覧もまた著作者の利益を損なっていると考えることもできるでしょう。図書館が提供することによって発生する著作者の不利益と公益性のバランスを考えた場合、果たしてごく一部の成功した商業的文芸作家の不利益に焦点を当て、対応策をとることが好ましいとは思えません。また、後者のような調査研究が、大学図書館や専門図書館を使用しづらい、大都市圏から外れた地域の立場に住む、大学生や研究職ではない立場の人々にも可能な状況が生まれることを希望します。そのためには、公共図書館が利用機会が少ない専門書を買うことが必要なのではなく、より大きな図書館や専門図書館から協力貸し出しを受けられるシステムのほうが必要ではないかと考えます。

「管理システム」の「誰が」の問題ですが、「誰が」を公に管理するシステムは構築されないでしょう。しかし、「管理しうる」システムとなる可能性があり、「しうる」以上、反発はあると思われます。「管理する」と「管理しうる」の違いには敏感である必要があると思われます。個人的には、「管理しうる」システムであっても構わないと考えますが、私的録音録画補償金制度のような包括的/サンプル抽出による概算的な徴収・分配ではなく支払う当該権利者に届けられるシステムであることが条件だと考えます。

以上、同じ枠組みの中で意見が違う部分と、前提としている現状認識に食い違いがある部分が混在していますが、後者については、さらに議論が可能かと思われます。しばらく対応できないかもしれませんが、また何かありましたら対話ができればと思っております。文化庁の著作権関係の審議会や小委員会の議事録にも目を通すことをオススメします。また、copy & copyrightさんのブログ/メーリングリストはじめ、著作権関係のブログは、様々な立場の意見と情報を得るのに有用でしょう。

図書館について考える時、特に政策的な部分を含めて考える場合は、様々な図書館があり、様々な利用形態があり、様々な利用者がいるということを、心がける必要があると思います。全体に、大学生〜研究職の立場からの図書館観が強いという印象を受けました。

あと、ぼくも使いましたが、「学校図書館」てのは曖昧ですね。大学図書館と小中学校の図書館では蔵書傾向も役割も違うので。

「不正競争防止法の成果冒用禁止規定型の法的枠組みで対処」というのは、ぼくにはよくわからないのだけど興味があるので、そのうち書いてください! 誤解を恐れずに言えば、流通に関する著作隣接権とか、資金提供を根拠とする財産権(映画の著作物とかいわゆる原盤権とか)は、不要だと考えてます。
(ちなみに、長作は法の専門家ではなく、法律関係職を志す者でもないので、著作権法以外はよくわかっていません)
Posted by 長作 at 2006年01月25日 00:15
議論の整理をしていただいてありがとうございます。なるほど、前提認識の差(ここのところはご指摘のように甘い点があるので、教えていただいた資料に目を通してみます)による箇所もあって、これに関してはもう少し勉強してから議論を進めたいと思います。

(2)の点については、私はかなり研究者寄りの立場から物を言ってしまいましたが、そうでなくても図書館間の連携体制、それを支えるシステム構築がいるということは、今後主張していくべき点でしょうね。

予算面の問題という点もご指摘ありましたが、これに関してはおっしゃるとおりで、楽観的に過ぎた感があります。文教予算が増えれば…とは思いますが、これには悲観的にならざるを得ません。余談ではありますが、国立国会図書館の関西館は、どうでもいい設備にお金をかけているように思えるものでありまして(たとえば、入場者には使い切りのカードが発行される。使うのは入場の1回限り。いるのか?)、その分を文化に資する図書館を全国に構築する方につかってくれたら…と強く思います。

最後の点(不正競争防止法の成果冒用禁止規定型の法的枠組みで対処)については、著作権法が文化保護と産業秩序法の二種の性格が入り乱れていることについての疑問から出ているものです。いずれ書きます!簡単に予告だけしておきますと、「資金提供の保護」というものは、資金回収が出来る期間だけで十分だ、という考えが90年代に出まして、それが不正競争防止法2条1項3号として制度化されました。端的に言うと、お金をかけて作り出した形は3年間模倣禁止!というものです。資金提供保護というならば、これで十分では…というのがかんぞうの考えです。
Posted by かんぞう at 2006年01月30日 22:48
なんとなく一段落したので、では、またそのうち。

資金提供の保護はおもしろそうですね。制度化へ向けての議論や趣旨などが読めるような資料があったらご示唆いただけると助かります。「資金提供の保護」でぐぐったら何もひっかからなかったです! 
ちょうどこの辺で今問題が表面化してます。
(著作隣接権である、いわゆる原盤権の権利者による差し止め)
ROCK'N ROLL DIARY :満月の夕
http://www.five-d.co.jp/heatwave/blog/index.php?id=06010015

http://ameblo.jp/chosaku/entry-10008433062.html

Posted by 長作 at 2006年01月31日 16:19
議論がなかなか良い方向にまとまった気がします。(深さの点は、私の力不足で達成されませんでした。すいません!)

隣接権者が著作者の権利を制限してしまうというのは本末転倒(著作者が頒布を望んでいるのに、これを制限することが文化の発展につながるんでしょうか?)で、裁判所が権利の濫用だ!と言ってくれることを期待します。
さて、資金提供保護の制度は、通常「成果冒用の禁止」という法律用語で説明されます。が、その制度が出来たのが平成5年なので議事録等がネットには無いようです…。
この規定は田村善之先生という北大の先生が中心的に関わっていらっしゃいますので、この方の論文を参照されるのがよいかと存じます。
大き目の書店にて、田村善之「不正競争法概説 第2版」(有斐閣)280頁〜、ないしは、資料取り寄せが可能な図書館で、ジュリスト1018号を取り寄せていただいて、田村善之『他人の商品の模倣行為と不正競争防止法――デッド・コピー規制の具体的提案』(ジュリスト1018号、1993年)を参照いただくしかなさそうです。(後者の論文の概要は<a href="http://chiteki-yuurei.seesaa.net/article/9447402.html">11月17日</a>に触れております。)

このような資料の入手は現状ではなかなか不便ですよね。
となると、ん〜…やはり図書館制度の話に戻りたくなりますねぇ(笑) 
Posted by かんぞう at 2006年02月01日 13:36
こちらこそ、どもでした。
それくらいなら、ストレージは確保できてますよん。
学問として成立している分野、特に法律は環境が整っていると思います。読みたいけど読めない本が一冊あるけど書名失念。
とはいえ、大都市周辺ではない地方の公共図書館頼りだと本の方は辛いかな。
ジュリストは何年か保存している図書館はそれなりにあるし、なければ国会図書館で郵送複写ができる。
本の方もどうしてもいるなら買えるんだし、何頁までかわかっていたら複写申請でも対応できる。
Posted by 長作 at 2006年02月01日 16:19
確かに法律系は手に入りやすいように思います。その点はありがたいです。
話はそれてしまいますが、公共図書館にある法律書を見るとその都市の状況が結構出ているという印象を受けます。世知辛い話ですが、あまり景気の良くないところでは、「借金整理の法律相談」といった本が揃っていたりします。ベッドタウンでは「離婚」関連が多かったりするのは…怖いもんです(^_^;)
Posted by かんぞう at 2006年02月05日 22:11
田村善之「不正競争法概説 第2版」(有斐閣)280頁〜
読みますた。デッドコピー禁止!なわけか。一部は知財法での対処を踏まえての立法なので、このまま著作権に持ってくるのはかなり丁寧に問題を切り分けないと辛そうですが、視点としては興味深いです。田村氏は著作権の本もあったはずですよね?そっちも見てみます。
Posted by 長作 at 2006年02月07日 01:58
そうです!田村先生の考えによれば、投資が成果として表れていれば保護される、というわけです。その上で保護すべき成果として明確に認識されている=コンセンサスが得られている、形態に限った保護が立法化されたわけです。長作さんご指摘のようにそのまま持ってくるには難しく、丁寧な切り分けがいるところでして、不肖かんぞうもその切り分けを少しでも前進させるべく務めております…。
「著作権法概説」という題で出されていたと思います。現行著作権は問題だという視点に立たれているようですので、なかなか面白い点がみつかるかもしれません。(もちろん、??な点もありますよ。)
Posted by かんぞう at 2006年02月07日 22:50
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