2008年11月04日

[時事]音楽プロデューサ著作権詐欺事件は欺罔行為ありとされるのだろうか

刑法の素人が領空侵犯をすることは適切なことではないし、間違いを公にして恥ずかしいことになるかもしれないのだけれど、面白い案件だったので書くことにした。

小室哲哉さんの逮捕報道は、どういう事実関係なのかいまいちわからないところがある。

報道を総合すると、前提となるお話として、
○小室さんの音楽著作物の著作権は音楽出版社に譲渡されていた(が、対抗要件は具備されていなかった)(以下、第一譲渡とする)
○音楽出版社への譲渡後、小室さんの関係者の会社に譲渡し、対抗要件を具備していた(以下、第二譲渡とする)
ということがあったものと推測される。

そして、今回の逮捕の原因となる行為として、
○音楽出版社への譲渡後、投資家への譲渡契約を結び(以下、第三譲渡とする)、一時金として5億円を得た
ことがあったと推測される。

仮にこの推測が正しい場合、詐欺罪が成立しない余地があるように思われる。
刑法はさっぱりわかっていないので、素人考えで恐縮だが、欺罔行為と評価できない可能性はないだろうか。

欺罔というためには被害者の判断能力、専門性も加味される(はず)。

今回、投資家が被害者であるために、被害者に一定の高度な専門性、判断能力が認められる可能性がある。そうすると、小室さんが投資家の方に対して「第二譲渡は形式的なものにすぎない」などとの欺罔を積極的に行っていない限り、文化庁の登録原簿を見ればわかることや、音楽業界では音楽出版社へ著作権譲渡がなされる慣行があることを鑑みて、欺罔行為なしとされるかもしれない。

もっとも、共犯とされる人も逮捕されているので、積極的な欺罔行為があったと検察は考えているのだろう。この事実関係に関しては今後知りたいところだ。

なお、小倉秀夫さんの『benli』(2008年11月4日記事)「小室哲哉さん逮捕との報道にあたって」は「著作権それ自体ではなく,「音楽出版社から著作物使用料の支払いを受ける権利」ではなかったか」と指摘されている。音楽業界の実情を考えればその可能性も高い。でないと、この投資家は詰めの甘い投資を行ったことになってしまう。おそらく、法律家に相談はされていると思うが、相談した法律家の方が著作権に詳しくなかった可能性もある(もしくはコンサルティングに過誤があった?)。

こちらであれば、投資家の方は確かめようが無いので、欺罔されたと認めやすいかもしれない。

なお、一部の報道では「登録制度の悪用だ」という記述もあった。これも事実関係がわかっていないので何とも言えないが、事実関係に関する私の推測が正しいならば、登録制度の悪用では無い。
posted by かんぞう at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ★時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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