2008年10月28日

[知財一般]産業界に無くてはならない制度は営業秘密保護>特許制度?

面白い調査結果があることを知った。米国での知的財産制度への利用者側の意識に関するものだ。
「この制度がなくなったら競争上の有意が失われてしまうか」、という問いに対して、米国の知財協(注1)の会員は次のように答えているらしい(注2)。

営業秘密の保護 約80%の会員が困ると回答
特許権 約66%の会員が困ると回答
著作権 約33%の会員が困ると回答

もちろん、調査母数の偏りは無視は出来ないが、興味深い。産業の面からは特許よりは営業秘密の方が高評価なのである(ただし、特許制度はイノベーションのためという側面もあるので、一概に「特許制度ってダメだよねー」とは言えない)。

■日本でも当てはまるか?
残念ながら管見の限り類似の調査は見られない。
しかし、統計を見れば明らかなように、日本企業は特許権を良く利用している(注3)。世界一特許制度を利用している国でもある(他国への出願を含む)。そうすると、米国とはちょっと違った結果になるかもしれない。

(注1)正確な名称はIntellectual Property Owners Association。なお、日本でも同一の名称を用いている団体があるらしくググると出てくる。が、「著作権の文化庁への登録」をうたっているアレな団体だったりする(ホームページの説明では、「著作権管理団体」が登録制から届出制になって…で、突然、文化庁に著作物を登録、なんて話に持っていっている。むちゃくちゃである)。
(注2)"Survey Results from the 2003 Intellectual Property Owners Association Survey on Strategic Management of Intellectual Property," Iain Cockburn and Rebecca Henderson
(注3)WIPOの統計がわかりやすいが、手っ取り早いのは特許庁『平成19年度特許出願動向調査―マクロ調査―』(2008年)
posted by かんぞう at 23:55| Comment(2) | TrackBack(0) | ☆知財一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
日本は米国とは違う結果になるだろうと思います。私の経験からくる個人的な感覚では、米国の実務家の方が日本の実務家よりもトレードシークレットに対する意識は高いような気がします。
日本の場合は、「他社に特許をとられたら困る」とか、「完全に秘密になんてできるものではない」という考えの方が強く、ほとんどの場合、特許による知的財産の保護を第一に考えるような気がします。
上記の日本流の考え方が間違っているとは思いませんが、近年、中国等への特許公開情報による技術流出が問題になっている事を鑑みると、米国流の考え方を学んでも良いのかなと個人的には思っています。
Posted by balife at 2008年10月29日 10:34
balifeさん、コメントをありがとうございます。
実務上の感覚を教えていただけて、非常にありがたく思っています。
コメントをいただいて気がつかされましたが、日本の中で「完全に秘密になんてできるものではない」という意識があるのでしょうね…。
Posted by かんぞう at 2008年10月29日 20:54
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