2005年12月15日

[不正競争]タイプフェイスの保護

●宮脇正晴『不法行為法によるタイプフェイスの保護―ゴナ書体事件下級審判決
の示す要件論を中心に―』L&T No.22(2004年)読書メモ

1.この論文の意義
タイプフェイスのデッドコピーは不法行為に当たるとされたゴナ書体事件1審判
決を中心に、タイプフェイスの保護について論じているものである。保護の方策
について端的に論じており、法的検討の際に参考になるものと思われる。(とく
に成果冒用類型の不正競争行為について検討するときにも参考になる。)

2.この論文の要点
ゴナ書体事件1審判決は
(a)他の書体との対比において創作性があること
(b)不正競争の意図
(c)ほぼ全体にわたってそっくり模倣して制作、販売した
という要件を挙げている。
この要件を宮脇先生を分析されており、(a)は「商品の価値を高める競争」におい
てなされた投資の保護をあらわしていると考えられているようである。(b)につい
ては実際上機能した先例はないものの、元となる書体の販売後相当期間(たとえ
ば10年以上)経てからのデッドコピーにおいては不正競争の意図なしとして処理
できるという利点を挙げている。(c)についてはデッドコピーといっても完全なも
のでなくてもよいという点を強調している。

3.私見
要件(a)についての分析について賛同するものの、最終的に市場における多様性を
重視するかのような見解には疑問である。要は顧客吸引力を生じさせる差別化の
源泉に着目すべきと考える。
posted by かんぞう at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆不正競争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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