2008年09月02日

[知財一般]地方自治体の知的財産戦略の効果

昨日の記事「[知財一般] 地方自治体の知的財産戦略の意味についての私見」に引き続き、地方自治体の知的財産戦略を取り上げたい。

■地方自治体の知的財産戦略の効果指標は出願件数だけか
これまで、いくつか先行研究がなされている(注1)が、いずれも効果の指標として、特許、商標の出願件数を用いている。
これは、現状では多くの自治体において企業の知的財産に対する理解が乏しく(注2)、まずは、出願件数を増やすべきとの考えが働いているものと推察される。
また、実際に地方自治体が定める知的財産戦略においても、出願を促す施策が中心となっていることも要因だろう。
さらに、効果指標として定量的に把握・分析可能である情報が事実上、出願件数のみであるという事実も影響しているように思う。

しかし、経済振興策としての知的財産戦略という観点からは、必ずしも出願件数の増加だけが効果の指標として扱われるべきでないと考える。例えば、産業の状況、その競合の状況、市場の状況いかんによっては、特許や商標出願をしない、という方策もあり得るのではないか。
そうであるならば、できるならば、産業が活性化したか、という点から知的財産戦略の効果が観察されることが望ましいといえる。もっとも、景気動向(マクロ的な動向および各産業分野における動向)の影響をコントロールする必要が出てくる。これはかなり困難を伴うものであり、指標とすることは実質的には不可能なのかもしれない。

(注1)政策研究大学院大学「地域の知財政策として大学支援策を実施するためのガイドライン策定研究−大学で創出された産業財産権の活用による地域振興の推進に向けて−」(2007年)、加藤浩「自治体による知財政策の在り方に関する考察―知財政策の有効活用に向けて―」パテント Vol.61 No.2(2008年)
posted by かんぞう at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆知財一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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