2008年06月30日

[特許]特許の法的安定性から見た特許の質

「特許の質」の評価方法がいくつも試みられている。

おそらく日本で有名な評価手法の一つは、株式会社パテントスコアがサービスして提供してうr出願経過情報をもとに評価を行う方法だろう。明細書の記載の傾向と、「良い特許には出願人、競合他社とも時間をかけるはずである」との前提に基づいたスコアリングは、なかなかうまい(注1)。

日本知財学会で、永田健太郎さん(東京大学)が報告されていた「日本特許の質に関する実証分析」はなかなか面白かった。

■報告概要
東京高裁(知財高裁)が拒絶審決取り消し訴訟、無効審決取り消し訴訟の結果下した、特許特許の有効性を特許の質の評価指標と、特許の質を高める要因をモデル分析を行ったものであった。

報告によると、
○外国特許先行技術文献を特許庁が参照すれば特許の法的安定性が38%向上
○国内優先権主張を用いると特許の法的安定性が37%向上
○審査機関は特許の質に影響を与えない
とのことがわかったようだ。

■考察
正確には「特許の質」の一側面であり、知財高裁判事がどういうところを見ているか、というところをあらわしているように思うが、そうはいっても面白い。
とくに後者、国内優先権主張を用いる=出願まで時間をかけていると、法的安定性が向上するとの点は、直感的には当たり前に思うが、それを実感させる点が興味深い。
仮にこれを拡張すると、12ヶ月のグレースピリオドの導入は特許の安定性向上に資するのかもしれない。(ただし、権利の利用者、市場側の悪影響はあるだろう。)

(注1)株式会社IPB Webサイト参照。

posted by かんぞう at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆特許 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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