2008年06月26日

[商標][時事]新しいタイプの商標、導入を検討へ

■新しいタイプの商標の導入を検討
欧州の主要国や米国で採用されている、音、におい、動き(ホログラフ)などの商標(おそらく色彩も含まれるのだろう)の登録を認めるか否かに関する検討を特許庁が開始するようだ。
特許庁は音やにおい、動きなど新しいタイプの商標を導入する検討に入る。インターネットの普及などで企業が自社の製品やサービスを他社と区別する方法が多様化し、新しい権利の保護が必要になっているためだ。商標の対象を文字、図形など「目に見えるもの」に限る従来方針を転換するため、7月に研究会を発足。2年後にも商標法改正案の提出をめざす。
(日経新聞2008年6月25日)

知的財産研究所などで既に研究が行われていたものであり、また、他国の制度例が少なくないことから目新しいものではない。だが、審査用の情報システムの改変も伴うものであり、日本の中での商標の一般的な認識に影響を与えるものでもあり、興味深い検討であると感じた。

私は他国の運用例についてまだよく知らないので、大変興味深いところである。これらについて、審査がどのようになるか、類比判断はどのようになるか、検討すべき点は多い。
検討すべき点の1つである、音の商標についてすこしばかり考えてみた。

■音の商標の登録要件の運用はどのようになると考えられるか
音の商標と言った場合、社会的には2つのグループが考えられる。1つは、サウンドロゴである(「♪すみともせいめい」など)。もう1つは、テーマソングである(Sofmapのテーマソングなど)。
前者のサウンドロゴについては、短い間に表現するという性質上、表現選択の幅が限られているとも考えられる(注1)。そうであるとすると、音楽の独占を防ぐ観点から商標法3条1項3号の適用がなされるかもしれない。その場合、登録されるのは3条2項の要件を満たす場合、すなわち、立体商標と同様の運用がなされるかもしれない。
後者については、タイアップ曲のような場合に若干問題を生むように思う。他の事業者が「楽曲」として使用した際に、商標的使用にあたるか、というところの争いを生じさせるのではないか。もっともこれは法制度上の問題というより、運用上の問題に帰着するだろう。

■参考文献
○(財)知的財産研究所「新しいタイプの商標に関する調査研究 報告書」(2007年)
 なお、要約はhttp://www.iip.or.jp/summary/pdf/detail07j/19_07.pdfにて入手可能。

また、今週末の日本知財学会で青木博通弁理士が報告されるようだ。

(注1)もっとも「どこまでも行こう事件」(東京高判平成14年9月6日判時1794号3頁)で裁判所は、サウンドロゴよりは長い旋律に対して、多様な創作の余地を認定している。
posted by かんぞう at 01:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆商標 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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