2007年12月31日

[つぶやき]2007年もありがとうございました

月日が進むごとに仕事に追われてしまい、社会の厳しさを味わっていた。その影響でブログの更新もさぼりがちになってしまったが、それは、勉強がおろそかになっていることも意味する。たまに、エイやっと記事を書いてみたら、思い切り間違っていたこともあった。誤りを指摘していただいた読者のみなさまに心からお礼を申し上げる。

2007年を振り返ると、
映画盗撮防止法という議員立法による特別法が成立したこと
・特許法の通常実施権に関する法改正議論が進展したこと
・著作権の私的複製の範囲をめぐる大きな議論が行ったこと(そして、ユーザーが始めてロビイストとして考えられるレベルになったこと)
が興味深かった。

個人的には、
・図らずも意匠制度に関する仕事をした(私は意匠制度は全く無知だった)
東京での良質な研究会の多さに驚いた
ことが挙げられる。

さて、振り返りがちな記事になってしまったが、来年も(出来る限り)未来志向で考えていきたい。

では、みなさま、良いお年を。
posted by かんぞう at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ●つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[特許]通常実施権等の登録制度の改正の方向性

産構審知的財産政策部会特許制度小委員会通常実施権等登録制度ワーキンググループ報告書《経済産業省へリンク。PDF》が公表されている。以前から議論のあった(注1)、通常実施権の登録制度についての見直しについて具体的な法案の方向性が示されたものと言えよう。

今後の備忘として報告書の内容をまとめた(注2)。

■報告書要旨の整理
法改正の提案項目としては、
●出願段階における登録制度の創設
・出願段階における通常実施権・専用実施権のライセンスについて登録する制度を創設。
特許を受ける権利者が破産した場合でもライセンシーを保護する制度とする。補正・分割があった場合においても引き続き効力を有する。出願の放棄・取り下げに当たっては登録されたライセンサーの承諾を要件とする。)
・特許を受ける権利の登録制度を創設。

●通常実施権等登録制度の見直し
・通常実施権・専用実施権の登録記載事項から、対価に関する事項を除外する(任意的記載事項としても扱わない)。
・通常実施権の登録記載事項の開示に当たっては、通常実施権者の氏名および権利の範囲については一定の利害関係人にのみ開示する。
(専用実施権の登録記載事項については全て開示する現行制度を維持。特許を受ける権利の登録についても同様に、通常実施権者の氏名・権利範囲は一定の利害関係人のみ開示し、専用実施権については全部開示。)
●サブライセンスの保護
・特許権者からのサブライセンスの授権に基づき、サブライセンシー=サブライセンサー間で成立した通常実施権(サブライセンス)の登録に当たって、特許権者=サブライセンサー間の許諾契約証書の提示を不要に。
(ただし、共同申請の原則は変わらない)
●登録の効力発生時の見直し
・登録申請受理時から効力が発生(現在は登録時)。
(ただし運用上、申請受付時に申請があった旨の登記、または、受付から登録までの期間中特許原簿の閲覧を禁止する、などを求めている)


今後の検討項目として残されたものとして、
●通常実施権登録制度の見直し
・独占的通常実施権である旨を任意的記載事項とする点。
・通常実施権の登録の単独申請を許容する点。
●サブライセンスの保護
・サブライセンシーを特定しない場合の、不特定のサブライセンシーの通常実施権の登録を許容する点。
・サブライセンスのかかる授権の特約の登録を任意的記載事項として許容する点。

■改正の方向性の影響として考えられるもの
(1)特許を受ける権利の登録制度の創設について

特許を受ける権利の登録制度が創設されることにより、権利が移転された場合には、譲渡人・譲受人の共同申請が必要なこととなる。手間が増えるわけであり、利用者にとってはつらい点であろう。報告書6頁が述べているように、特許を受ける権利の移転は年間20000件程度存在し、特許権の移転の約2倍であることに鑑みると、その影響は小さくない。とくにTLOには特許を受ける権利の移転を頻繁に活用しているとも聞く。影響が大きいのではないだろうか。反発も想定される。

他方、無権限の者が虚偽の譲渡証明書を偽造することで、特許を受ける権利を移転することはかなりの程度防ぐことができるようになる。これに伴って、冒認出願に基づく特許権の移転登録請求として重要な判決である〔生ゴミ処理装置事件最高裁判決〕(注3)はその意味を大きく失うことになるだろう(真の権利者出願後の無権限者による特許を受ける権利の移転が考えにくくなるためである)。

(2)ライセンス条件の内、対価を記載事項から外す点について
報告書33頁の脚注23で述べられているように、商標権のライセンスの対価の記録に関しては、商標法に関するシンガポール条約(注4)が対価の記録を禁止しているところである。従来、ライセンス対価の登録が必要であったことが、日本の同条約の批准の障害の一つとなっていたと考えられる(注5)が、本提案に沿った改正がなされると、批准に向けて前進するものと思われる(注6)。

■検討項目のうち今後も注目すべき点
(1)通常実施権の登録の単独申請の許容について

報告書33頁が指摘するように、特許法条約批准のためには、単独申請を導入する必要性が生じる。(特許法条約に基づく規則16(1)、17(1)、17(9)が単独登録を求めているためである)。特許制度の国際的ハーモナイゼーションへのニーズが高いならば、この点は近々に議論の俎上に再度上るのであろう。


(注1)本ブログ「[つぶやき][特許]速い!」(2007年11月4日記事)、「[特許]特許権の通常実施権登録制度見直し議論が期待できそう」(2007年9月22日記事)参照。
(注2)なんら考察が加えられておらず、単なるまとめ資料的価値しかなく恐縮だが…。
(注3)最判平成13年6月12日民集55巻4号793頁。
(注4)出願手続きの共通化に資する条約である。2006年3月27日採択。なお、日本は未批准。詳細は、特許庁総務部国際課「商標法に関するシンガポール条約の採択について」《特許庁へリンク》参照。
(注5)『知的財産推進計画2007』において、同条約批准に当たっての課題の検討が要対応事項として挙げられている。
(注6)なお、上記報告書は特許権に関するものであり、直接的には特許権の通常実施権の登録制度の変更に留まる。しかしながら、特許登録令45条の改正につながることが予想され、商標登録令10条が同条を準用していることから商標の通常実施権登録制度の変更にもつながるだろう。
posted by かんぞう at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆特許 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月23日

[時事][著作権]違法サイトの認定機関をめぐる強烈なジョークと留意点

(2007年12月26日改訂)ブラウザでの「閲覧」行為についての著作権法上の評価について誤解がありましたので、訂正いたしました。お読みくださった皆様、私がご著書の内容を読み違ってしまった中山先生、申し訳ありませんでした。ご指摘くださったmさん、ありがとうございました。


既に報道された(ITmedia 2007年12月18日記事《ITmediaへのリンク》参照)通り、音楽、映像の著作物を違法に公衆送信可能化したサイトからのダウンロード行為が私的複製の範囲外とされる法改正の方向が固まったようだ。

上記ITmediaの記事でも触れられている通り、パブリックコメントには非常に多くの反対意見があったようだ(注1)。

■偉大な皮肉?「日本違法サイト協会」
さて、そんな動向を受けてか、日本違法サイト協会なるものが、違法サイトを認定して掲示するということをはじめた。(これは小委員会で一部団体が示唆した、ユーザー保護の方法である。)
同サイトは真っ先に文化庁が「違法サイト」である、という皮肉を展開しており、ジョークとしては面白い。

■でもミスリーディングであるので注意!
ただし、ここでの表現についてはミスリーディングである点がある。

まず、少なくとも現状の中間整理では、録音録画物、すなわち「音楽」または「映像」の著作物を対象としている(注2)のであり、その他の表現形態の著作物(たとえば、文字、静止画)については、対象外である。文化庁は静止画を利用したのであり、「違法サイト」と皮肉るには、ちょっと飛躍があるのではないだろうか。

次に、同サイトでは「閲覧が違法」と書いてある。これは今の解釈ではむずかしいところである。ブラウザー上での閲覧を行う場合、(a)RAM上にデータが複製され、これが参照される、(b)ブラウザーキャッシュとしてハードディスクに蓄積される、こととなる。
(a)については複製行為を伴っていないと解釈される(過渡的な複製であり、著作権法上の複製と解釈できないというのが通説である(注3))。(b)については、もはや複製行為と解さざるを得ないのではないか、という意見もあり、立法論的対処の必要性も説かれているところであるが(注4)、「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会 デジタル対応ワーキングチーム検討結果報告」(2005年)では、複製と解釈しないことも含めた複数の方向性が示されているところであり、かならずしもコンセンサスがある状況とは言えないのではないか。

■ささやかな思い
ともかくも、私としても、ダウンロード違法化については懸念している。(本ブログひとつまえの記事参照)
もちろん、「変な方向に動くことへの懸念」があるにすぎず、正当なチェックが行われれば良いのかもしれない。その点については、民主主義制度の中できちんと監視すべきだろうし、その懸念が嫌ならば、きちんと政治の場への意見発信をすべきと言う意見(注5)には納得できる。
といっても、実際には、ささやかなことしかしないのであるが…(注6)。

(注1)もちろん、先進的インターネットユーザーの会(MIAU)が勧めたパブコメ案に沿ったものも多数あったことが最大の要因と思われるが、そう出なくても反対意見はあったものと思われる。なお、小倉秀夫弁護士のブログ記事《小倉秀夫弁護士のブログ「benli」へリンク》も参照。ただし、違法化に反対のコメントが1800というのは、少なくとも元の記事からは読み取れないと考えられる。(元の記事は「意見全体の8割がダウンロード違法化に関わる意見で、そのさらに7割がインターネット上のテンプレートを使っている」と書いてあるにすぎない。意見全体の8割の中の残り3割は賛成か反対かわからないはずである。)
(注2)文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会『中間報告(案)』第7章第2節
(注3)中山信弘『著作権法』(有斐閣、2007年)214頁。もっとも、この結論が得られた元となった議論が行われた状況と現在では、「過渡的」と評価できるかは意見が分かれるところかもしれない。
(注4)前掲注(3)215頁。また、川瀬著作権課長は、複製概念についての知識が無いとの断りを入れた上で、ブラウザキャッシュが違法とされるべきでない旨の発言がなされたと報道されている。
(注5)小倉秀夫弁護士のブログ『benli』2007年12月18日記事「嗤っている暇などない」《小倉秀夫弁護士のブログ「benli」へリンク》は正鵠を射ていると思う。
(注6)なお、政治家にとって著作権の問題を取り上げることへのインセンティブの乏しさがあることを指摘するものとして、京俊介「著作権政策形成過程の分析(一) ―利益団体,審議会,官庁の行動による法改正メカニズムの説明―」阪大法学57巻2号(2007年)326頁脚注34。
posted by かんぞう at 01:11| Comment(3) | TrackBack(0) | ★時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月14日

[著作権]私的複製の範囲の行方

文化庁文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会がまとめた中間報告に対するパブリックコメント結果が、「私的録音録画小委員会中間整理に関する意見募集の結果について」として公表されている。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07112907/002.pdf

ざっと見ただけの段階であるが、気になったことをコメントしたい。

私は「違法サイトからのダウンロード違法化」という流れには、少々懸念している。

■違法サイトとの峻別について
いちおう「明白に違法な複製物」という限定を付す方向であるが、その峻別方法として、日本レコード協会は「違法サイトと適法サイトを峻別するマーク」を提案されているが、少なくとも下記の2点には対応する必要があるのではないだろうか。

「本来著作権の対象でないものを頒布するサイトに対して違法とマークすること」
「本来違法な複製物を頒布するサイトが勝手に適法マークを付すこと」

前者は、マークに対する信用性が高ければ高いほど、これを野放しにすることで表現の自由を損なう可能性があるし、後者は、マークへの信頼性を低下させ、峻別方法が不明確となった結果、ダウンロード行為一般を萎縮させる可能性がある。

もっとも、マークへの信用が低下した結果、「明白に違法でない」という認定につながるのであれば、利用者が被る不利益は懸念されるものでなくなるだろう。ただし、その場合、違法サイトからのダウンロード違法化は単なるメッセージ的な規定となるに留まる。
レコード協会が指摘されるように、本問題の根がモラルの問題であるならば、そのようなメッセージ的な規定と解釈をすることでも十分なようにも思える。

罰則について
中間報告案は罰則を適用しないことを提言している。

これに対し、日本国際映画著作権協会などは疑問を呈している。
しかし、仮に罰則を適用しても、果たして、権利者の望む運用がされるかについては疑問である。多数の「犯罪者」を出すような解釈をすることを裁判所がためらわないだろうか。刑事罰対象としたために「明白に違法でない」と認定する範囲が多くなるかもしれないと思えてしまう。
posted by かんぞう at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆著作権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月08日

[時事][特許]職務発明補償金請求訴訟はまだまだ続く

■著名発明を巡る補償金請求訴訟
大き目のニュースとなっているが、日本を代表する(そして、残念ながら日本のみですごい)発明の1つである、日本語ワープロに関する発明を巡って、訴訟が起こったようだ。報道によると、発明者の1人が特許を受ける権利の承継に係る補償金が不十分であるとして2億6千万円を請求しているとのことである。
(なお、東京新聞の以下の記事が一番詳しい。)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007120702070338.html

日本語ワープロの変換技術の発明はNHKの『Project X』にも取り上げられていたほど、著名なものである。その点でインパクトがある。

■請求額の満額回答は難しそう…
ただし、報道されるところによる請求額算定の仕方には、これまでの裁判例傾向から見るに難しい点があるようだ。発明者の寄与率を10%に設定しているが、本発明は複数のプロジェクトメンバーの寄与によることがうかがえること、多くの裁判例で発明により生じた利益に対する会社の貢献度は95%超と認定されること、を考えれば、多くて1%ほどなのではないのかなぁ、と思える。

■発明後30年経ってなお訴訟となる
この報道で最も興味深い点は、発明の時期と訴訟の時期の離れ具合である。

発明は1977年なされているのだから、30年経っての紛争となっている。もちろん、時効への配慮はなされていて、96年と97年に関して支払われた補償金の不足分を請求しているに留まっている。
おそらく、毎年、特許権の寄与した利益額×発明者の寄与分を報奨金としていると思われる。すると、時効の起算点はその支払い時期となる(注1)ので、時効は完成していないこととなる(とはいえ、かなり滑り込みであるが…)。

平成16年に、相当対価算定方法を巡る特許法改正を行い、補償金請求訴訟の沈静化を目指したが、改正法が効力を持つのは同改正法が施行されてから特許を受ける権利が承継された発明に限る為、補償金支払い規定の定め方によっては、本件のように発明後30年経っても訴訟を起こされる可能性がある。本件は、そのことを実感を持って知らしめるものであった。

追記
私が取り上げる前に、FJneo1994さんが取り上げられていた。
(タイトルが似ているので、私が盗用した!と言われるとどうしようもないかも!!(笑)これが著名な著作物の強み、というか、難点という評価があり得る。余談ではあるが…。)
FJneo1994さんは、「能力にふさわしい報酬と自由を与えるべき」と主張されており、現在やこれからの研究者にはぜひそうしてあげていただきたいと思うのだが、このような訴訟が続かないよう、過去の研究者の成果に多大な報酬を与えるインセンティブは企業側には少ないのではないだろうか。すでに退職者になっていたり、あるいは、経験を生かしてマネージメントになっている場合、なんら研究のインセンティブにならないからである。

(注1)最判平成15年4月22日第三小法廷判決・民集57巻4号477頁参照。
posted by かんぞう at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ★時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月07日

[時事]放送と通信の融合に関する総務省の方針への違和感

最近、新しいことが出るたびケチをつけている感じで、自分でもいかがなものか、と思うが気になることがあるので、また今回もケチをつけさせてほしい。

報道によると「社会的影響力」に基づき、伝送経路に寄らず、段階的な規制をかぶせることが主眼のようだ。そして、規制には、有害情報のみならず、政治的偏向も含まれる(これはおそらく、もっとも社会的影響力が大きい場合だろう)、という。

印象論で恐縮だが、本方向性を提言した総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」の議事録を眺めていると、
 ・インターネットアダルト情報など有害情報が流れていてケシカラン
 ・インターネットテレビも影響力がでかい、テレビと何が違うんだ
というあたりの議論がごちゃごちゃしている。

前者については、「道徳論」からすればそうなのかもしれないが、では、伝送経路どころか、媒体の違いを区別する必要があるのだろうか。書籍が手に入れやすくなった今、「本」となった有害情報も子供の目に触れることはあり得る。単にお金が払えないからみにくいというだけにすぎない。

後者については、放送のみが周波数の有限性を理由に政治的偏向に対する規制が許容されていた点を変更するものとして提言されているが、周波数の有限性に比べると表現を規制する合理的理由として弱い。そのようなパターナリスティックな介入が許されるのであろうか。(この規制の背景には、「国民はバカだから偏った情報に流されてしまう」という考えがあるのかもしれない。)
「社会的影響」を言うならば、産經MSNも、asahi.comも半端ではないので、これが成立したら、きっと無味乾燥なサイトになり、社説なぞを載せることはもってのほかになるのかもしれない。

感情的な意見で恐縮だが、情報規制が必要だ、という意見を言う人は、どうしたいのだろうか。批判の声もある某隣国のような情報統制システムを作りたいのだろうか。
posted by かんぞう at 01:56| Comment(0) | TrackBack(1) | ★時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月04日

[時事][特許]秘密特許制度の導入を検討しているらしい

日経新聞2007年11月26日記事によると、経済産業省が軍事上有用な発明については、公開せず、政府として保証金を支払うことで機密を保持する制度を検討しているらしい。

いわゆる「秘密特許制度」であり、報道を見る限り、ドイツアメリカと同じような制度にすることが窺える。

ただ、タイミングが悪いな、と思えるのは、防衛庁の不祥事が騒がれているときにこのようなことが検討されている点である。

報道によると、秘密特許とするか否かは特許庁の連絡により防衛庁が検討することとなっている。軍事上有用か否かは多分に戦略的な観点が入るものと思われるが、恣意的な選考をし、補償金が無駄に支払われる可能性が無いではない。技術の随意契約の抜け道となりうるのでは、というのが私の(穿った)見方である。軍事機密の名のもとに隠されてしまうのであるから、仮に制度を導入しても、せめて、一定期間経過後に審査も含めて公開する制度とすることが望ましいのではないだろうか。
(もちろん、「軍事」という香りがする段階で、違和感を覚える方もいるかもしれない。)

私としては、秘密特許制度はむしろ情報セキュリティ分野では意味があるのではないかと思う。たとえば、不正侵入の検出技術などは、公開しては意味が大きく減殺されるものであるので、有効ではないだろうか。
利点もある。技術的に望ましいものを指定すれば良いのであり、事後的な検証が比較的中立に行いうる。
posted by かんぞう at 00:32| Comment(2) | TrackBack(0) | ★時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月03日

[つぶやき]地域における知的財産制度に関する本の普及ぐあい?

最近出張で地方に行くことが多い。

本屋を覘くのが趣味であるので、ちょっと寄って見るのだが、それなりに地域の個性が出ている。(もちろん、本屋さんの性格や、バイヤーの趣味による差もあるので、一概には言えないことには留意されたい。あくまで、これは印象論にすぎない。)

やはり知的財産関係の本が充実しているのは都会、それも首都圏に偏っている。

大阪圏であればそれなりに整っているのだが、特許商標のみという印象を受ける。
大阪圏での商標への意識は高いようであり、小さな本屋さんでも商標の取り方の解説本がおいてあった。

ただ、商標を取り上げるならば、不正競争防止法も一緒に取り扱ってほしいな、とも思う。
今年、「三輪山本舗」なる素麺を売る大阪の事業者が、著名な素麺製造業者「三輪山本」との誤認混同を招くとして不正競争防止法違反で逮捕された(なお、逮捕された業者は中国産の素麺を国産と偽ってを売っていたと報道されている)こともあるのだし、なおさら…と思ってしまう。(もちろん、一業者の認識にすぎないのだが)

それ以外の地域ではまだまだ、というところもあるが、なぜか充実しているところもあった。そういうところには、著名な企業発祥の地だったりするので、何かの関係があるのか!?などと思ってしまったりする。
posted by かんぞう at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ●つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする